中村祐人&黄大仙観戦記1/5
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯時」(中国スーパーリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。また、香港プレミアリーグについては「香港プレミアリーグ」と記します。
香港プレミアリーグ第8節
黄大仙0-0傑志
斧山道スタジアム
「お待たせしました。行きましょうか」
スタジアムで出待ちをしていたサポーターへサインや握手、撮影を終えると男はそう言った。
「スタンドから見ててどうでした?あれ、オフサイドでした?」
いや、オフではなかったと私が答えると、男は改めて悔しそうな表情になった。
「あそこしかなかったんですよね。GKとの距離も詰まってたし」
幻のゴール。自分がゴール前で放ったシュートは味方選手が押し込んでゴールに突き刺さった。だが、無情にも押し込んだ選手がオフサイドの判定。ゴールは取り消された。
「(ラインズマンの旗が)遅いですよね。あれじゃ決まったって思っちゃう」
事実、選手だけでなくスタンドもゴールに湧いた。だが、かなり遅れて上がったフラッグによって歓声はため息に変わった。
中村祐人が今季プレーしている黄大仙は昨季チャンピオンの傑志と対戦。終始押し込まれながらも、中村を中心とした鋭いカウンターで何度も傑志ゴールを脅かした。6分という長いロスタイムも相手の猛攻を防ぎきり、価値ある勝ち点1を獲得した。
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