【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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引退後も影響力抜群のジダンとチャイナ代表の今後

編集:中国サッカー魂編集部

※諸事情により、「ちゅうごく」と漢字表記すべき部分を「チャイナ」と表記してあります。

ご了承ください。

チャイナでももちろん、人気も知名度も高いジダン

2006年W杯決勝戦後には、他の国と同じようにチャイナでも「マテラッツィーは何をいってジダンを怒らせたのか」がネット上で盛んに議論された。

さて。

今回のEuro2008ではW杯準優勝チームとしては極めて恥ずかしい姿をさらしたフランス代表。オランダ、イタリアと同組みだったとはいえ、1勝もできず、しかもイタリアに02、オランダには14と大敗したことは、結果だけでなく試合内容もまったくもって良くなかったことを証明している。レイモン・ドメネク監督の解任はまず間違いないだろう。というよりも、このような結果でもドメネクは辞任を表明しないのだろうか…それとも、まだ監督を続けるつもりなのだろうか。

それにしても、引退後もジダンの影響力は群を抜いている。この発言に関するニュースはチャイナ国内でも見られた。引退した一人の選手の発言が、海を渡り遠く極東の国々でも、その国の言葉に翻訳されて紹介されているのだ。まぁあれだけのスーパースターなわけだから、当然といえば当然かもしれないが…

ジダンにはぜひ今後もサッカー界の表舞台で、しかもFIFAなどではなく、現場で活躍してほしい。名選手=名監督ではないことはサッカーの歴史が証明しているが、「ジダン監督」を見てみたいというファンはチャイナ国内でも少なくない。

もっとも、ジダンのチャイナ嫌いは有名で、ジダンレアル・マドリードに所属していた頃、チームのチャイナ遠征があったが、ジダンは「チャイナの選手は悪質なプレーが多いから試合はしたくない」と発言し、遠征にも同行しなかったため話題になったことがあった。

2010年W杯。3次予選で敗退してしまったチャイナ代表は今、監督人事に注目が集まっている。チャイナサッカー協会はいったい後任に誰を選ぶのか。もうオファーは出しているのだろうが、情報は一切見えてこない。ここはひとつ、ジダンにオファー…なんてことは夢物語だから置いとくとして、実績も知名度もある監督を連れてきて、国内メディアを通して国民をぐっと引き付けるような、カンフル剤のような人事は行えないだろうか。

今回の結果で国民は大いに失望し、「代表離れ」が進んでしまった。運悪く代表の3次予選敗退が決まった同時期にEuro2008が行われ、「もう代表はいい。どうせ勝てない。それよりヨーロッパの試合を見ているほうがよっぽど熱中できる」という状況を作り出してしまった。

国民の、そしてサポーターの後押しなしにW杯出場は難しい。日本のサッカー界も、代表チームやJリーグが発展し強くなると同時に、サポーターも成長した。目が肥え、厳しい意見を言うようになり、スタジアムに足を運んでは12人目の選手となり、時には自国の代表選手だからといっても容赦なくブーイングを浴びせて叱咤した。

98年W杯アジア地区予選で、ふがいない日本代表の戦績に怒ったサポーターがカズや城らと激突したこともあった。もちろん行き過ぎたブーイングや衝突は問題外だが、代表チームと一緒になって戦い、泣き、笑い、喜び合い、悔しさを分かち合うサポーターの存在抜きにはW杯出場は難しい。

デシャンの監督就任の可能性に関して前向きな発言を行っているジダンだが、ジダン本人は今後、どこへ向かおうとしているのだろうか。

そして、迷走を続けるチャイナ代表もまた、どこへ向かおうとしているのだろうか…