広島に逆転勝利!メネーゼス山東魯能の何が変わったのか?
サッカーコラムニスト松本忠之が中村祐人の「衝撃」を振り返る
ACLのJとKのアウェイ戦。
これが長年、広州恒大を除くCクラブの鬼門であった。せめて引き分けでいい。そうすれば、ホームで利がある。しかし、勝ち切れないどころか、引き分けにも持ち込めない。その結果、勝ち点差をつけられて、決勝トーナメント進出を逃す…
その鬼門をいきなり突破してみせた。山東魯能だ。しかも相手はJ王者の広島。昨年のクラブW杯で広州恒大を破った試合巧者だ。
山東魯能の何が変わったのか。
もちろん、この一試合だけですべてを語ることはできないし、まだまだメネーゼス監督はチームの構築段階であろう。それを承知で語るなら、それは二点目に表れていた。
代わって入ったばかりの吴涵が粘って粘ってラストパス。決めたタルデッリにばかり注目が集まっているが、ゴール前であそこまで粘って、冷静に相手の動きを見てお膳立てするプレーは過去、中国人選手にはあまり見られなかったプレーだ。しかも、ACLのアウェイの舞台でやってのけた。
メネーゼスは就任後、とにかくパスとその受け方といった基本的なところから改革したという。そして、ブラジルサッカーを山東魯能に植え付ける努力をしている。吴涵のプレーなどは、ゴール前でも冷静さを失わず、遊び心すら感じさせる、まさにブラジルスタイルそのものだった。
山東魯能に期待したい。
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯時」(中国スーパーリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。また、香港プレミアリーグについては「香港プレミアリーグ」と記します。