【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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上海上港はなぜエウケソンを獲得できたのか?

※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯時」(中国スーパーリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。また、香港プレミアリーグについては「香港プレミアリーグ」と記します。

広州恒大がエウケソンを放出。それだけでも驚きなのに、しかもその獲得クラブが上海上港というのだから、メディアもサポーターも大騒ぎだ。

だが、上海上港は確実にいい仕事をした。確かに1850万ユーロという移籍金は「そんなに出せるなら、他にもっとビッグネームを獲得できるだろう」という声もある。だが、上海上港は「知名度」よりも「実利」を選んだと私は見る。

早い話、エウケソンは中超で実績があり、中国にも馴染んでいる。それを優先したのだ。今現在、欧州や南米で活躍しているビッグネームももちろんほしいだろうが、果たして中超でどうなのか、中国が合うのかどうかは未知数。それを考えてのことだろう。

また、コンカが上海上港にやってきたということも大きいだろう。今でこそ広州恒大はエウケソン、グラール、パウリーニョ、そしてロビーニョ(今冬での移籍が予想される)の外国人体制だが、一昔前はコンカ、ムリキ、エウケソンだったのだ。そのコンカが昨季から上海上港でプレーしている。連携は問題ない。それも非常に大きな要因だろう。

資金力を活かした「派手な」移籍を狙いたがる中国クラブの中で、派手さよりも実利を選んだ上海上港には非常に好感が持てる。そして、エウケソン獲得は間違いなく「打倒広州恒大」のためた。契約ではエウケソンは広州恒大戦には出場できないことになっている。これは当然の処置だろう。だからこそ、いかにその他の試合でエウケソンがゴールを奪えるか。そこがキーとなる。

来季の中超も、見どころいっぱいだ。

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