【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

中国が発信している情報を偏見なく紹介します。その他、趣味のサッカー(ガンバ大阪/清水エスパルス/バルセロナ)やお酒の話題など。

中村祐人&黄大仙観戦記4/5

※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯時」(中国スーパーリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。また、香港プレミアリーグについては「香港プレミアリーグ」と記します。

「来年一月にはブラジル人選手(FW)が加入することになっています。そうすれば、僕の仕事が軽減される。ありがたいですね」

今、チームは攻撃において極度の「中村依存」に陥っている。中村の役割が多過ぎるのだ。もうひとり中村がいれば、とは周りだけでなく本人も感じていることだという。

ただし、そのブラジル人選手が加入すれば、今のシステムでは中村が一列下がってトップ下に入る可能性が大きい。そしてそれは中村にとって本意ではない。

私が「フォーメーションが変わって2トップになればいいですね」と言うと、中村は頷きながら「(もしトップ下に下げられたら)監督と話してみようと思いますけどね」と語った。

中村には強烈なまでのFWとしてのアイデンティティーがある。私が「でも、監督の起用法に対して自分の主張をすることは、干される可能性もあるのに、恐くないですか?」と聞くと、毅然とした態度でこう切り返した。

「僕らサッカー選手は個人事業主のようなものです。もちろん、チームとして戦ってはいますよ。でもその一方でサラリーマンのような雇用形態とは違う。だから、言うべきところは言いますよ」

自己主張して、それでも自分の本意ではないポジションで起用されたらどうするのか?という質問には、

「一度言ってだめだったら従います。与えられたポジションで結果を出しますよ。でもそれは、自分の主張を聞いてもらうためでもあります。結果を出せば自己主張にも説得力が増す。聞いてもらえるようにもなるんです」

サッカーコラムニスト松本忠之が「まるでコネクティッドカー」と表現した天才フットボーラー中村祐人