【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

中国が発信している情報を偏見なく紹介します。その他、趣味のサッカー(ガンバ大阪/清水エスパルス/バルセロナ)やお酒の話題など。

【中村祐人】独占インタビュー(2015夏) 第一章経緯

香港プレミアリーグ開幕直前の特別企画として、毎週の土曜日と日曜日に連載を配信いたします。タイトルは「【中村祐人】独占インタビュー(2015夏)」。今年の春にお送りした「【中村祐人】独占インタビュー(2015春)」以来の、香港プレミアリーグで活躍する日本人・中村選手へのインタビューです。

聞き手は中国サッカーに造詣の深い当ブログ執筆者の松本忠之氏。

香港での直撃取材を元に構成しています。ぜひとも最後までお楽しみください!

【中村祐人】独占インタビュー(2015夏) 第一章経緯

—まずは単刀直入にお伺いします。サウスチャイナ(南華)から黄大仙へレンタル移籍になった経緯を教えてください。

中村「オフで日本に一時帰国する直前のことでしたが、クラブから良くないニュースがある、と。そこでレンタルされるかもしれないと聞かされました」

—理由は?

中村「日本でのオフを終えて香港に戻ってきてからクラブ側と詳細について話したのですが、その時言われたのが、移籍市場での新規獲得によって、外国人選手が登録枠より一人多くなってしまう、と(香港プレミアの外国人枠は6人)。そして誰かをレンタルで放出しなければならないが、来季のチームの方針は、前線にはタフでサイズがある外国人選手を使いたいということで、それで私が構想外になってしまった、ということでした」

—その時はまだレンタル先は決まっていなかった?

中村「はい。クラブが僕のレンタル先を探していましたが、僕自身も何チームか接触はしていました。その中で、2,3のチームは好感触だったのですが、香港サッカー界特有のしがらみだったり、クラブのボスの企みだったりで、すべて破断になってしまいました」

—中村選手がレンタル放出の該当者になってしまったのは、フロントの意向ですか?それとも、監督の?

中村「監督の意向も大きかったようですね。まぁ僕を中盤で起用するプランも考えたようですが、それでもやはり外国人選手でポジションが被ってしまう、と」

—中村選手は昨シーズンのチーム得点王です。結果を出しているにも関わらず、レンタルに出されるというのは…

中村「当然、僕としても納得のいかない部分は多々ありました。しかし、宣告されてしまえばもう仕方ない。だから受け入れて、気持ちを切り替えるしかありませんでした」

—そして、最終的に黄大仙に落ち着いた。

中村「はい。黄大仙は、実はサウスチャイナのボスがスポンサーをしているクラブなんです」

                 

—えっ?そうなんですか。

中村「はい。これも香港特有の現象かもしれませんが、サウスチャイナのボスがセカンドチームを欲しがっていたんです」

—どうしてセカンドチームを欲しがっていたのでしょうか?

中村「少し前に、傑志というクラブがサザンというクラブ(Southern District Football Club)を兄弟チームの弟分として所有しました。そして今年、イースタン(Eastern Football Club)というチームがメトロ(Dreams Metro Gallery Football Club)を弟分として所有しました。サウスチャイナはこのふたつのクラブに強い対抗心があるため、「自分たちも弟分的なクラブを」ということになり、水面下でクラブを探していたんです。なかなか手間取ったようですが、最終的に買収まではいかなかったものの、スポンサードする形で黄大仙を弟分的なクラブとして獲得するに至ったんです」

—他のクラブがセカンドクラブを持っているからうちも、という感覚は、ある意味では中国社会におけるメンツのようなものなのでしょうか?

中村「そうですね。嫉妬、見栄、メンツ。そういった感情でしょうね」

—それで中村選手のレンタル先も黄大仙になった、と。

中村「でも、蓋を開けてみたら、サウスチャイナからレンタルで黄大仙に来た選手は僕とあともうひとり、GKの選手の二人だけでしたけどね」

Image01:香港プレミアリーグロゴ

Image02:Yuto Nakamura @ Elgin Szechuan Cuisine by Tada