【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

中国が発信している情報を偏見なく紹介します。その他、趣味のサッカー(ガンバ大阪/清水エスパルス/バルセロナ)やお酒の話題など。

ついに殴打事件まで発生...止まらない負の連鎖

※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」(中国プレミアリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。

また、香港プレミアリーグについては「香港超級聯賽」と記します。

悲しい、の一言だ。

先週末行われた中超第13節の貴州人和(ホーム)vs山東魯能戦で試合終了後、判定に不満のあった山東サイドの選手がラインズマンに詰め寄った。それを静止しようと山東は監督も含めてベンチも飛び出した。混乱の中、なんと山東のクカ監督がラインズマンに目元を殴打される事件が発生。試合後、ラインズマンははっきりとその事実を認めている。しかし、それを見た山東側も黙っているはずがなく、今度はそのラインズマンが暴行に遭いピッチに倒れ込んだ。ただ、混乱の中の出来事であり、誰がどう暴行したのかは定かではない。

監督が暴行された山東の怒りは収まらず、審判側に謝罪を要求。しかもホームタウンである済南に戻ると、すぐに事の顛末を記した文書を中国サッカー協会に提出。自分たちの正当性を主張した。

だが、山東側もラインズマンを殴打しており、どれだけ正当性を主張しても処分は免れない見通しだ。今後、協会がどのような処分を下すのかに注目が集まる。

中超ではここ数節、こういった問題が相次いでいる。上海ダービー時の上海申花、W杯アジア予選にも波及するかと思われた鄭智(広州恒大)事件、そして今回の山東魯能。負の連鎖ってが止まらない。

幸い、アジア予選で国内リーグが中断期に入る。さらに女子W杯も開幕した。開幕戦で中国女子は開催国カナダに敗れたが、まだまだチャンスは残されている。男子、女子共にA代表が明るいニュースを国内に提供して、サッカー界の雰囲気を変えてほしい。

その一方で、協会及びクラブ(特に処分対象クラブ)は一度冷静になって、これを機に仕切り直しをしてほしい。このまま乱闘や処分ばかりが続けば、せっかくレベルアップしてきたリーグの質が下がる一方なのだから。