3点差を追いついて万歳?4得点はすごい?山東のDFを問う
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」(中国プレミアリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。
また、香港プレミアリーグについては「香港超級聯賽」と記します。
山東がホームで柏を迎えたこの一戦。ここで柏をたたけば勝ち点で並ぶ非常に重要な試合で、4得点を奪いながら4失点して引き分けた。
試合展開としては山東が先制したものの、その後、前半23分、29分、32分と短時間で立て続けに3失点。その後、山東は前半と後半で合わせて山東3得点、柏1得点。合計スコアは44となった。
前半4分に先制という最高の滑り出しをしながら、前半で、しかもわずか9分の間で3失点もする戦い。ここはどこのホームなのだ。まったく情けない。これでは中超の中で「広州恒大のライバルになりうるのは北京国安のみ」いわれてしまうのも仕方ない。問題は、試合中にしっかりチームをコントロールできるメンタル的支柱となる選手がいないことだ。攻撃を引っ張る外国人選手+王永珀、旭といった素晴らしい選手がいる一方、広州恒大でいう鄭智、北京国安でいう周挺のような選手がいない。いないから4失点するとはいわないが、いないならいないなりに、誰かしらがもっとチームを鼓舞して、闘争心を焚きつけて、試合中にピッチ内でしっかりチームをまとめる動きをしていいものだ。だが、いない。はもはやベンチスタートが定着しているし、蒿俊あたりならその役割ができそうなものだが…いない。
もちろん、こういう役割の選手というのは戦術で出てくるわけではなく、人間性や持って生まれたものもある。ゆえに、難しいことだが、こういう試合を見るにつて、本当に思う。もったいない。ここで勝ち点3を取るのと勝ち点1しか取れないのは決勝トーナメント進出に大きく影響する。山東がもし、グループリーグ敗退となったら、恐らく、この試合がターニングポイントだったという総括になるのではないか。その意味では、4ゴール奪ってるのだから、あと一点、せめてあと一点だけ失点を防いでいればよかったのだ。
もはや何を言っても仕方がない。あと2試合。山東が全勝することを願って。
松本忠之(まつもとただゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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