ロシアW杯アジア予選シード権獲得の中国「2連敗しても大丈夫」
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」(中国プレミアリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。
また、香港プレミアリーグについては「香港超級聯賽」と記します。
今月の国際Aマッチデー。中国はホームでハイチ、チュニジアと2連戦を戦う。
これらFIFAの国際Aマッチを単なる「親善試合」で片付けることができなかったこれまでの中国。それはAマッチの結果によりFIFAランキングに変化が出て、そのためにW杯予選の抽選に影響が出るからだ。簡単に言ってしまえば、シード権を得られるかどうか。FIFAのアジアランキングで常に上位の日本は常にシード権を持っているが、中国は別。シード権を得ることができれば、それこそ日本や韓国、豪州といった強豪との早い段階での対戦を避けることができる。ゆえに、中国にとってこのシード権は非常に重要なのである。
中国サッカー協会及びペラン監督の会見によると、中国はすでにこのシード権の獲得が確定しているという。実際には今月行われる国際AマッチもFIFAランキングの対象になるのだが、たとえここで中国が2連敗しても、アジア8位以内は確保できるとのこと。ゆえに、シード権獲得は確定しているのだ。
中国は現在アジア7位。この結果は1月に行われたアジア杯での結果が大きく影響していることは言うまでもない。サウジやウズベクを破り、決勝トーナメントまで進出し、アジアを驚かせたあの好成績が大きく影響した。最新のアジアランキングは、
1位 イラン
2位 日本
3位 韓国
4位 オーストラリア
5位 UEA
6位 ウズベキスタン
7位 中国
8位 オマーン
9位 イラク
10位 サウジアラビア
となっている。このうち、W杯アジア予選でシードされるのは上位8位。だが、先述したようにたとえ今月の国際Aマッチデーで中国が2連敗し、8位オマーン、9位イラクが2連勝しても、ポイントで中国が抜かれることはなく、よって中国はシー権を獲得できる。
これまでとは違い、シード国として臨むW杯。それゆえ、しっかりとその強さを発揮しなければ面目は丸つぶれとなる。アジア杯で見せた快進撃が単なる奇跡でないことを証明するためにも、アジア予選では再び強さを見せつけなければならない。そのために、しっかりとした準備をする明日のハイチ、そして後日のチュニジア戦であってほしい。
松本忠之(まつもとただゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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