中国サッカー協会が「中国サッカー総合改革プラン」を発表!
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」(中国プレミアリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。
また、香港プレミアリーグについては「香港超級聯賽」と記します。
日本では今年に入ってアギーレ監督の契約解除、そしてハリルホジッチ新監督の就任などで、選手以上に協会がニュースによく登場していた時期があった。そんな中、お隣中国では中国政府が(※中国サッカー協会が、ではない)「中国サッカー総合改革プラン」を発表した。中国はスポーツも「国家体育局」という政府機関によって管理管轄されている。そのため、中国サッカー界の改革プランも政府が発表するのである。しかも、習近平国家主席がこのプランを承認する最高人物なのである。日本でいえば、日本のサッカー改革案を日本サッカー協会ではなく政府がサッカー協会を交えて話し合い、最後に安倍総理の承認を得るということだ。こんなところでも、ずいぶんと隣国とわが国では違いがある。
さて、肝心の「中国サッカー総合改革プラン」の中身だが、全部で50条にも及ぶ壮大なものだ。これを一つひとつ書くのは困難だが、これまでのように学校のクラブや地域のクラブ、あるいはプロリーグのクラブのサッカー学校などを通じて底上げを図り、中国サッカーを強くしていくなどの内容も盛り込まれている。
そんな中、なんといっても今回のプランの最大の目玉は「W杯の中国大会の招致及び開催」である。北京五輪、上海万博と世界的イベントを自国開催したことで、世界中に国威を掲揚していきた中国。次なる世界的ビッグイベントとして、サッカーのW杯に目を付けるのは当然の成り行きだろう。国家主席の習近平氏自身がサッカー好きなのも影響しているのかもしれない。
また、今回のプランの中で注目すべきは、先述した「中国はスポーツも国家体育局という政府機関によって管理管轄されている」の部分の改革案だ。なんと、サッカー協会を「国家体育局」の管理管轄から外す、つまり独立させるというのだ。これは非常に大きな意義がある。中国サッカー協会が政府の意見に左右されず自主権を持つようになるのだ。海外では当たり前のこの体制も中国では革新的。まさに「改革プラン」だ。これにより、もっと自由に外国のサッカー協会と交流できるし、政府に気兼ねなく強化することも可能になる。中国がいよいよ、「民間としての」サッカーに本腰を入れ始めた。
ここまで本気の最近の中国を見ていると、近い将来、本当に「W杯予選で日本を脅かす」存在になるかもしれない。
松本忠之(まつもとただゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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