【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

中国が発信している情報を偏見なく紹介します。その他、趣味のサッカー(ガンバ大阪/清水エスパルス/バルセロナ)やお酒の話題など。

中国サッカー界に春到来!?中超BIG4がACLで揃って初戦勝利!

※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」(中国プレミアリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。

また、香港プレミアリーグについては「香港超級聯賽」と記します。

中超BIG4が初戦勝利!

まさに中国サッカー界に春が来た!?

先月のアジア杯でA代表が好成績を残し、盛り上がりを見せている2015年の中国サッカー界。そこへ新たなグッドニュースが舞い込んだ。なんと、今週開幕したACL2015で中超から出場している4クラブ全部が初戦を勝利したのだ。広州富力に関しては昨日も記事にしたし、またJ三冠王がホームで初戦敗退ということで日本でも大きく報道されたからご存じの方も多いと思う。では、中超BIG4の他の3クラブはどうか。

まずは元アジア王者・広州恒大。今季初の公式戦は中国国内のスーパー杯。昨季リーグ王者の広州恒大vs昨季カップ戦王者の山東魯能だったが、PK戦の末、山東に敗退した。カンナバーロ監督のデビュー戦となった一戦を落とした広州恒大としては、ACL初戦でなんとか勝ちたいところだが、相手は難敵のFCソウル。ホームで戦えることで広州に利があるものの、なかなか簡単には勝たせてもらえない相手であることは確かだった。しかし、この試合を今年1月の移籍市場で獲得したブラジル人ストライカー・グラールが決めて10で勝利。グラールは中超史上最高額での移籍となったが、いきなり貴重な結果を出してチームとファンの期待に応えた。

続いては山東魯能。昨季のカップ戦王者として今季ACLに臨む同クラブは、前述したとおり今季初の公式戦となったスーパー杯でライバル広州恒大を破り、幸先の良いスタートを切った。ACL初戦はベトナムのビン・ズオンとアウェイで対戦。2失点しながらも自慢の攻撃力で3点を奪い返して勝利した。全北、柏と同じグループの山東。このKとJの2チームの壁を破るには、ビン・ズオンからの勝ち点は必須条件。それをアウェイで勝ち点3を取ることができたのは大きな収穫だ。ビン・ズオンにがんばってもらい、全北か柏のどちらかとでもベトナムで引き分け以上の結果を出してくれれば、山東にとってグループ突破の大きなアドバンテージとなる。

そして昨季リーグ2位ながら、中超のACL枠が減った(厳密にはストレート出場枠が減って、プレーオフからの出場になった)ため、プレーオフを勝ち上がって本大会に駒を進めた北京国安だ。北京は昨季、広州恒大と最終節までリーグ優勝がわからないというところまでもつれ込んだ、広州恒大に勝るとも劣らぬ実力派チーム。その北京は昨季のAリーグ王者ブリスベンをなんとアウェイで倒しての勝利!これは同じアウェイで勝利した山東と同等の、いや、相手がA覇者ということではそれ以上の勝ちがあるかもしれない。ブリスベンに乗り込んだ北京は00のまま試合が進行し、アウェイで勝ち点1が取れれば万々歳…という状況から、なんと試合終了間際、邵佳一フリーキックでゴールを奪って勝ち点3を手にした。まさに値千金のゴール。北京は実力だけでなく、今季、「持っている」のかもしれない。

そして、昨日もお伝えした広州富力はJ3冠王者をアウェイで破っての勝ち点3。今回、中超BIG4がすべて初戦で勝ち点3を獲得し、そのいずれもが価値ある勝ち点3だが、サプライズも含めたもっとも価値ある、そして驚きの勝ち点3は間違いなく広州富力のそれだ。

沖縄より南に位置する広州ではそろそろ暖かくなり始めているが、日本の東北地方にあたる山東と北京はまだまだ寒さが続く。そんな巨大な中国大陸全土に、一足早く、サッカー界が春の訪れを告げてくれているのかもしれない。どうかこのまま、順調に勝ち点を積み重ねて、中超BIG4全チームがグループリーグ突破!!というまさに中国サッカー界の春を呼び込んでほしい。

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小松英之(こまつひでゆき)

サッカーコラムニスト。

サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。

【略歴】

静岡生まれ。

小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。

【観戦経験】

英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシーマンチェスターC。

リーガ:バルセロナ

セリエ:ユベントス、ローマ。

ブンデスニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV

欧州CL:バルセロナベンフィカ

【中国Cリーグ】

中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。

08年 Cリーグ武漢光谷の日系企業スポンサー募集担当。

08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。

09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。

※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」の略です。

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