ミルティノビッチ時代への懐古主義!?
広州の新聞「羊城晩報」が来年のアジアカップに臨む現中国代表に苦言を呈した。広州といえば、広州恒大の絶大な影響力により、いまや大連に代わって中国のサッカー王国となっている都市である。
記事には、今月の2試合(ニュージーランド&ホンジュラス)だけでなく、ぺラン体制になってからの代表を振り返り、一向に進歩が見えない代表を「FWの実力不足が原因」とずばり断定している。そして、中国が唯一W杯に出場した2002年のミルティノビッチ監督時代のチームを振り返り、こう述べている。
「ミルティノビッチ時代は郝海のスピード突破、宿茂臻のヘディング、晨のアジリティーがあった。今の代表のどこにそれらが見られるだろうか?」
そしてさらに、
「山東魯能の韓鵬というベテランをぺラン監督がいまだに召集していることからもよくわかる。要するに(若手の優秀な)FWがいないのだ」とも書いている。
まさかミルティノビッチ時代への懐古主義ではないだろうが、しかし2002年当時までさかのぼってみても、現在、それを上回る選手がいないというのは、果たして本当なのか、それとも…
ともあれ、同紙がこの記事の最後で書いているように、私もこう書くしかない。
「ぺラン監督はどうやってこの問題を解決するのだろうか?」
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」の略です。
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小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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