ホンジュラス相手にスコアレスドローは評価できるのか?
日本がホームで21とオーストラリアを破ったのと同じ時間帯。
中国はホームで00とホンジュラスに引き分けた。
この試合は開始前からある報道が目立った。それは、「日本」というキーワードだ。中国メディアは「日本がホンジュラスを60で破った」と書きたて、「我が国では無理だろう」「中国代表はどこまでできるか?」と書いた。同時にホンジュラスの監督も「我々は日本で6失点大敗を喫した。このままでは帰れない」と語り、その言葉がまたメディアを賑わせた。
この親善試合の目標があくまでアジア杯の選手選考であることは日本も中国も変わらない。ぺラン監督は先週のニュージーランド戦後、「ミスが多いのは広州恒大から選出した選手が今季、満足に試合に出られなかったから」と発言し、五輪代表からも追加招集する意向を発表していた。それだけに、この試合では危機感を持った選手もいたことだろう。
試合は00の引き分け。中国は見せ場をほとんど作ることもできなかった。だが、ホンジュラスはブラジルW杯に出場した国。中国はアジアで最終予選に手が届くかどうかのチーム。いわば、中国のほうが格下なわけだ。ホームだから勝ちたかったところだが、格上相手に失点を許さなかったのは評価できる。しかも、もし70分の呉曦のヘディングシュートが入っていれば、勝機もあった。惜しくもポストを叩いてしまったのだが、単なる引き分けではなく、勝てる見込みを残してのドローならば、これもまた評価できる。
果たして中国はアジア杯でどこまで勝ち上がれるだろうか。
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」の略です。
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小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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