ブラインドサッカー世界選手権が間もなく開幕
「人は見た目が9割」という本がはやった時、「私は聴覚7割」とよくいっていた。
まぁこの本は「ノンバーバル・コミュニケーション(言葉以外の伝達)」の重要性を説いてるんだけど、
多くの人が視覚情報を中心に生活していることはまぎれもない事実。
「言葉を見る」とは、あるブラインドサッカー選手の言葉。
そんなブラインドサッカーの世界選手権が16日から東京で開幕する。
通常、言葉は「聞く」ものであって、「見る」のは文字なんだけど、目が見えない中でサッカーをするには、
とにかく聴覚情報を頼りにするしかなく、その中で生まれた感覚が「言葉を見る」のだそう。
恐らく、私自身が中国語で飯を食えてるのは、視覚よりも何倍も聴覚を重視して生活しているから。
そのおかげで中国語が伸びたんだと思う。同時に、私が身だしなみにだらしがないのも、視覚を重視していないが故だと思われる…
自分は聴覚重視だな、と意識的にわかった瞬間は、本の執筆をしていたときに、
自分がもっとも集中して書ける状態が「オシム監督インタビュー」の映像を流しながら書いている時だと発見した時。
オシム監督は母国語がセルビア語らしいけど、その母国語で答えているインタビュー映像(字幕が日本語)があって、
なぜかその映像を流しているときが一番集中して書ける。映像は別に見ない。
まぁオシム監督の声のトーンや話し方もあるんだろうけど、不思議なのは、まったく意味がわからない言葉が延々と流れているのに、
すごく落ち着くし、すごく集中できるということ。
それを自分で発見したときに、視覚情報よりも、空気振動(音は空気の振動なので)によって自分は周辺環境を認識してるんだろうな、
と感じて、視覚よりも音を重視してるんだろうな、と気がついた。
ブラインドサッカーはまさにそんな「視覚<聴覚」の世界のスポーツ。
注目だ。
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小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」の略です。
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