中国リーグの大事な試合で笛を吹いたのは日本人
今村義朗(いまむら よしろう)氏。
先日の広州恒大vs北京の試合で主審を務めた日本人レフェリーである。
元々はこのカードのあった第29節、今村主審は大連vs遼寧の試合で笛を吹くことになっていた。
しかし、大連の監督が日本人の倉田監督であることから、公平を期してこのカードに変更になった。
広州恒大のリッピ監督は「北京側にもラフプレーをする選手が多かったのに、退場者は我々しか出なかった」と試合後会見で不満を語っていたが、私が試合を観戦した限りでは、毅然とした態度で、とても公平にジャッジしていた印象だ。
それに何より、試合の流れを壊さずにジャッジしていく舵取りは本当に見事だった。
中超はすぐに選手が倒れる。それは、中超でプレーする選手が「だいたいこれくらいでレフェリーはファールを取ってくれる」と肌で分かっているからだが、問題なのは私ですら「すぐ倒れるなぁ」と感じるくらいに、その感覚が世界基準からかけ離れているからである。このあたりの感覚はACLを見るとよくわかる。他国リーグのクラブと他愛船すると、中超選手が倒れてもファールを取ってもらえないという場面がよくある。
そういう意味も込めて、中国サッカー協会が日本人レフェリーを招いて交流しているのは素晴らしいことだ。
今村主審は試合を円滑に進めただけでなく、中超にとっても素晴らしい価値観をもたらしてくれた。
日本人として、とても鼻が高い出来事だ。
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」の略です。
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小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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