【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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中超優勝争いの行方…北京は山東が広州破ることを期待

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いよいよあと4節となった今シーズンの中超。

ここで上位5チームの前節までの順位と勝ち点を振り返ってみよう。

1位 広州恒大 63

2位 北京国安 57

3位 広州富力 47

4位 山東魯能 44

5位 上海上港 42

優勝争いは事実上、広州恒大と北京の2強とみていいだろう。

トップの広州恒大は前節、「広州ダービー」で広州富力と対戦。富力の先制ゴールがその直前のプレーがファウルとみなされ取り消されるなど、恒大にとってはラッキーな展開もあり、最終的に43で恒大が勝利。首位をがっちりキープした。

一方、2位の北京はアウェイで遼寧と対戦。こちらは外国人FWデヤンのハットトリックで31と勝利。しっかりと広州恒大に喰らいついた。

そして、残りの4試合には興味深いストーリーが待っている。

まずは第29節(30節が最終節)。そう、この2チームの直接対決が残されているのだ。広州恒大のホームにて第29節vs北京戦が行われる。ただし、勝ち点差6の現状では、直接対決のほかに、もう一試合、広州が負けて北京が勝つ試合がなければ、北京は勝ち点差で広州にならべない。ここで、両チームの残り4試合のカードを見てみよう。

広州恒大

27節 杭州城(H)10位

28節 州人和(A)6位

29節 北京国安(H)2位

30節 山能(A)4位

北京国安

27節 上海申鑫(H)14位

28節 杭州城(A)10位

29節 广州恒大(A)1位

30節 河南建(H)15位

※カッコ内はホームもしくはアウェイの意。順位は第26節終了時の対戦相手の順位。

注目すべきは広州の対戦相手だ。北京との直接対決のほかに、なんと貴州、そして山東という今季ACLに出場した強豪との対戦、しかも共にアウェイマッチが組まれているではないか。北京としては願ってもない組み合わせ。自分たちが直接対決で広州を下す以外に、広州を倒せる可能性がリーグ内で高いチームとの対戦が2試合あり、しかも広州にとってのアウェイゲームだ。以前、長春がホームで広州恒大を迎え撃ち、勝利を収めた時、まるで優勝したかのように喜ぶ長春の姿だけでなく、他クラブが異例の「広州恒大撃破おめでとう」とのコメントを発するなど、中超では「打倒広州」に躍起だ。それだけに、貴州と山東という強豪に期待が集まる。

一方の北京は広州との直接対決以外はすべて今季10位以下のチーム。しかも、そのうち2試合は残留争いのチームだ。もちろん、この終盤での残留争いのチームとの対戦も気が抜けない。なにせ相手は別の意味で非常にモチベーションが高く、必至だからだ(もちろん残留というモチベーション)。だが、実力差からいえば、広州に比べて楽なのは疑いない。まして、山東に関しては、まだACL出場(3位まで)の望みがある。1試合も落とせない試合が続くからモチベーションも高い。そして最後にホームで迎える広州恒大戦。山東にとっては中超最終節、ホーム最終節、しかも3位争いが最終節までもつれ込んだらACL決定節ともなる。しかも相手は広州恒大。否が応でも盛り上がるではないか。

そして、意外なダークホースとして、元日本代表岡田武史監督が指揮を執ったことで有名な杭州がいる。なにせ2強のラスト4試合で二つとも対戦するのが杭州だからだ。今季、実質上は残留を確定させた。あとは10位からどれだけ上に行けるか、特に半分の8位以上を確定できるかどうか。ACL圏内は絶望的だが、5位にまで上がることはまだまだ可能な勝ち点だ。杭州には上位争いに期待したい。

明日から10月に突入。中超はいよいよクライマックスを迎える。

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小松英之(こまつひでゆき)

サッカーコラムニスト。

サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。

【略歴】

静岡生まれ。

小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。

【観戦経験】

英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシーマンチェスターC。

リーガ:バルセロナ

セリエ:ユベントス、ローマ。

ブンデスニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV

欧州CL:バルセロナベンフィカ

【中国Cリーグ】

中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。

08年 Cリーグ武漢光谷の日系企業スポンサー募集担当。

08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。

09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。

※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」の略です。

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