なぜこのタイミング? 上海申鑫が監督交代
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なぜこのタイミングなのか?
中超はいよいよシーズンの最終盤に入っている。残るは5節のみ。優勝争いも降格争いも真っただ中だ。
そんな中、不可解な発表がなされたのは上海申鑫。なんとこのタイミングで成耀東監督が交代するとのこと。
現在、同クラブは勝ち点25で14位に沈んでいる。降格は15位と16位(最下位)。つまりぎりぎり残留ラインにいるわけだ。しかも、勝ち点は15位の河南が23、最下位のハルビンが20。まだまだ予断を許さない状況である。
そんな状況にも関わらず、監督交代。この大事な時期に何があったのか。
クラブから詳細の発表はなされていないが、ネット上で飛び交う情報をまとめると、どうやらクラブと成耀東監督の関係はシーズン当初から悪く、シーズンが進むにつれてお互いが譲れない状態に陥り、最終的に先日の広州恒大戦でテクニカルエリアを大きく飛び出してレフェリー批判をしたことから4試合のベンチ入り禁止処分を食らったことが今回の引き金になってしまったようだ。
クラブの公式発表では成耀東監督が自ら「一身上の理由」で辞表を提出し、それをクラブが受理した形になっているが、実際のところはわからない。だが、何はともあれ監督は交代だ。では、新監督はどんな人物か。それはなんと、同クラブの社長が務めるという。これにも瞬間、驚いた。
だが、経歴を調べてみれば納得。新監督で社長兼任の郭光琪氏は自身もサッカー選手だった経歴があり、さらにプロ・アマ問わず監督経験が豊富だ。同じ上海の古豪クラブである上海申花を率いたこともあり、クラブ社長でありながら、現場で指揮の取れる人物なのである。
目下、郭光琪新監督の使命は当然のことながら残留だ。そして、その後に来季の監督探し。
果たして、新体制の上海申鑫は残留を勝ち取ることができるだろうか。
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小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」の略です。
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