【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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後味の悪い試合…上海は監督も処分に

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中国サッカー協会は上海申鑫の監督である成耀東を4試合のベンチ入り禁止と2万元(約34万円)の罰金を命じた。これは、「重大な判定ミスを起こした」として、同リーグで主審を務めるレフェリー夏軍を35試合の出場停止処分としたのと同じ試合での出来事に対してである。

経緯はこうだ。

9月20日に行われた中超第25節。広州恒大(ホーム)と上海申鑫の一戦でのこと。試合は広州恒大が試合終盤に2ゴールを奪って21で逆転勝利を収めたが、この終盤の2ゴールを許す展開となったきっかけが、上海申鑫の自軍FWが明らかに広州のGKに倒されPKを獲得できたのに、上述のレフェリーがまさかの「上海申鑫FWのシュミレーション行為」でイエローカードを提示という判定があったからだ。

上海申鑫の成耀東監督はこの試合において、何度もテクニカルエリアを飛び出し、しかも選手にではなく、主審に批判の言葉を浴びせた。これを試合後、レフェリー団が中国サッカー協会に報告。同協会は報告とビデオで確認し、上海申鑫の成耀東監督の行為を「試合の進行に悪影響を与えた」として、先に述べた処分を下した。

この試合では、主審が処分を受け、さらに上海申鑫の成耀東監督も処分を受けた。また、上海申鑫のブラジル人FWヤイルトンもレッドカードを受けた。とても後味の悪い試合となったわけだが、漁夫の利とでもいおうか、審判と上海申鑫が処分を受けている中、ひとりほくそ笑んでいるのが広州恒大だ。ラッキーな判定があり、試合には勝ち、処分はなく、中超トップを走っている。もしもこの試合を上海申鑫が制していたら、広州と北京の勝ち点差は「3」にまで縮まっていた(結果勝ち点差は「6」)。この差は非常に大きい。

上海申鑫としては、アウェイで広州恒大を破るという大金星を挙げるチャンスが75分まであったのに、レフェリーの判断ミス(中国サッカー協会がそれを認めた)で逆に逆転負けを喫してしまった。なんとも悔しい。そんな思いが成耀東監督を必要以上に興奮させ、今回の処分をなったのだろう。

もう2度と、こんな後味の悪い試合が起きないように願うばかりだ。

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小松英之(こまつひでゆき)

サッカーコラムニスト。

サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。

【略歴】

静岡生まれ。

小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。

【観戦経験】

英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシーマンチェスターC。

リーガ:バルセロナ

セリエ:ユベントス、ローマ。

ブンデスニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV

欧州CL:バルセロナベンフィカ

【中国Cリーグ】

中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。

08年 Cリーグ武漢光谷の日系企業スポンサー募集担当。

08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。

09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。

※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」の略です。

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