広州オーナーがシドニー敗戦を振り返る
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「恒大」「淘宝」とふたつのオーナー企業の名前が冠されているのだが、ふたつめの「淘宝」は中国で最初にして最大の総合ネットショップ企業だ。この「淘宝」のオーナー企業は「アリババ」。今や世界に名を馳せる企業であり、アリババの創業者といえば日本の孫正義氏がその人柄にほれ込み、わずか数分で投資することを決めたことで日本でも有名になった人物、そう、馬云(ジャック・マー)氏だ。日本でいえば楽天の三木谷オーナーのような存在。
その馬云氏が先の広州vsWシドニーの試合を振り返ったコメントを発表。各スポーツメディアはこぞってそのコメントを掲載した。
まず馬云氏は試合を振り返って、「とても悔しいが、失望はしていない」と語り、「この悔しさもまたサッカーの醍醐味のひとつである」としている。そして、選手、サポーター、サッカースクール(広州が運営している)の3者に対しても、それぞれコメントした。
選手へ…素晴らしい試合をありがとう。主力が3名抜けた上に、監督もベンチに入れないという重圧の中での激戦に、とても感動しました。選手たちはみな、男の中の男でした。あの試合はみなさんがファンを裏切ったのではなく、運がわがチームを裏切ったのです。
サポーターへ…実は私は40年の人生の中で、初めてスタジアムでプロサッカーの試合を観戦しました。サポーターのみなさんの姿に私は感動しました。スタジアムでみなさんが応援する姿を見て、私は声援、情熱、あきらめない精神、愛情…それらの本当の姿を見ました。残念なことに、中にはペットボトルや紙コップをスタジアムに投げ入れる「偽サポーター」がいたことです。クラブは勝負の世界に立ち向かっています。サポーターのみなさんは悔しさの壁に立ち向かってください。
サッカースクールへ…昨日、私はサッカースクールを見学しました。何より驚いたのは、きれいに整った設備と環境ではなく、ここに中国サッカーの希望があることでした。私は、中国サッカー界において、青少年こそが希望であり、また唯一のチャンスであると思っています。サッカーを学ぶ青少年に投資することは、真の投資です。
「とても悔しいが、失望ではない」
「この悔しさも、またサッカーの醍醐味」
広州サポーターはこのコメントに心を癒されることだろう。
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小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」の略です。
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