香川、マスコミにくぎを刺したか?
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「事前の親善試合の結果が悪くても問題ない」
香川が冷静なコメントだ。
日本代表はW杯本番までに3試合、親善試合を行う。
明日のキプロス戦。そして事前合宿地でのアメリカで2試合。
いよいよ本番に向かって高まる期待。
マスコミも指宿での合宿を皮きりに事細かに報道している。選手一人一人のコメントから動作まで。選手がこれを感じないはずがない。これから本番に向けて報道は過熱する一方。香川はそんな雰囲気を感じ取って、何かしらのメッセージを込めたのだろうか。
思えば、南アW杯の時は本番前の親善試合どころか、国際Aマッチで負けまくり。それが原因で直前で阿部をアンカーに置き、俊輔をはずし、本田を1トップに置く守備的布陣に変更したが、あの時の報道はすごかった。そして、私自身も怒っていた。岡田監督に対して「この様でなにが本気でBEST4を目指す、だ」と記事にしていた。
とにかくW杯前は独特の雰囲気になる。
報道も過熱するし、過熱すれば他社より抜きんでようとマスコミ各社はより過激に、よりセンセーショナルに記事を書こうとする。それに乗っかる世間。そういう構図でまるで炎のようにどんどん過熱して燃え上がっていく。そんな状況が選手やチームに影響しないわけがない。だが、ポジティブだろうとネガティブだろうと、過熱しすぎる報道はチームにいい影響を与えることは少ない。ポジティブ報道はいわゆる「散々持ち上げといて、落とす」前兆になりうるし、ネガティブ報道の過熱は言わずもがな。
香川が狙って言っているのかどうかは別として、こういう姿勢は大事だ。あくまで選手たち、そしてチームは冷静で、平常心でなければならないからだ。キャプテンの長谷部やベテラン大久保などがチームに落ち着きを与える役割の先頭だろう。と同時に、本田と香川というライト層に知名度が高い選手=マスコミが一面に取り上げる選手が主導してマスコミ関係に対応することも大事だ。対応といっても、何もロングインタビューする必要はない。無言を貫く本田。「親善試合の結果は関係ない」と言い切る香川。これで十分なのだ。
マスコミ報道の過熱と共に、あぁいよいよ始まるな、という気分がする今日この頃である。
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筆:小松英之 ツイッターはこちら
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小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」の略です。
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