リベリーの位置が高くなって形勢が変わった
イングランド・オランダ・日本・中国の各国の指導者ライセンスを所持するサッカースクール!
小松英之の連載がブログで紹介されました!
前半は共に決定機を作るも得点できず。
特にバイエルンのロッベンはGKとの1対1という場面もあったものの、得点できずにいた。ドルトムントのGKヴァイデンフェラーの好セーブもあったが、しかし、前半のバイエルンは完全な形で崩せていたわけでもなかった。
試合を見ながら、リベリーの位置が気になっていた。
前半はほとんど低い位置にいた。それはドルトムントがいいサイド攻撃を見せているからで、リベリーは自然と高い位置を取れないでいた。リベリーが高い位置でプレーするようになると、恐いなとずっと感じていた。
すると後半。
思ったとおり、リベリーが徐々に高い位置でボールを保持するようになった。圧倒的なスピードとテクニック。そして後半15分。ついに試合は動く。ロッベンがリベリーとのコンビネーションで左サイドを深くえぐり、ラストパス。マンジュキッチは触るだけでいいというシュートでバイエルンが先制した。
それでもPKから同点に追いついたドルトムント。試合後、フンメルスも語っていたように、見ているこちら側も延長戦を考えていた。すると、バイエルンに栄光の瞬間が訪れる。高い位置でボールをキープしたリベリーがロッベンへラストパス。するとロッベンは、この試合の、あの状況の、あの時間帯で、なぜあんなに冷静でいられるのか?とため息が出るような見事なフェイントでDFをかわすと、最後はそれまで好セーブを続けてきたGKヴァイデンフェラーのお株を奪う、「置いてくる」ような完璧なシュート。これで、勝負アリ、だった。
決勝戦にふさわしい、どちらが勝ってもおかしくない、本当にいい試合だった。と同時に、欧州主要リーグの今季が(ほぼ)終了したという脱力感もやってきた。そんな矢先、ネイマールの移籍の話題も飛び出したりで、俄然、期待感が高まってきた。
毎年毎年間断なく話題に事欠かない。
感動的なフィナーレ。
サッカーって、やっぱりいいですね。
(筆:小松英之)
小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川移籍後)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鋒氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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