出場機会を求めて…おれは遠藤の後継者ではない
イングランド・オランダ・日本・中国の各国の指導者ライセンスを所持するサッカースクール!
小松英之の連載がブログで紹介されました!
いつからだろう。遠藤の後継者などという筋違いな話が普通になってしまったのは…
ドイツ1部レーバークーゼンからヘルタへの移籍が発表された日本代表の細貝だ。ヘルタは来季の1部昇格を果たしたチーム。レーバークーゼンから比べればかなり格は下がる。だが、出場機会は大いに増えることが予想される。
細貝はあるインタビューで語っていた。
遠藤の後継者という言われ方が嫌だ、と。自分は自分。そもそも、遠藤とはプレースタイルが違う。さらには、自分はドイツでプレーしているという自負も細貝にはある。Jとは比べ物にならないフィジカルの激しさ。そのリーグでのハードワークを生かしたDFこそが自分の最大の武器であり、ゆえに、遠藤とはスタイルが異なるのだ。だから、後継者などではない。
そんな細貝は、日本代表でのボランチというポジションでは、レギュラーを取れずにいる。遠藤と長谷部という偉大すぎるプレーヤーのいるポジション。決して細貝が悪いとは思えない。ただ、二人の存在が大きすぎるのだ。
しかし、遠藤は2014年のW杯時には年齢の問題がある。
W杯本番とアジア予選では戦術が変わることもある。岡田ジャパンがそうだった。岡田ジャパン(オシム時代を含む)のとき、中村俊輔は絶対的存在だった。いまでいう、本田や香川のような存在だった。事実、何度も日本代表の窮地を救った。しかし、南アW杯本番ではどうだったか。俊輔本人はのちにTVのインタビューで「地獄だった。ベンチにするくらいなら、23人のメンバーからはずして欲しかった」と語るほどの境遇を味わった。
つまりは、今の遠藤や長谷部も、W杯本番はわからないということだ。特に、世界の強豪と戦ううえで、DF力は欠かせない。そのDF能力が高い細貝は、十分にチャンスがある。さながら、南アW杯の時の阿部のような存在か。
しかし、どうであれ、まずはしっかりと所属クラブで出場することが大前提だ。リーグはブンデスなのだから、申し分ない。あとは、どれだけ出場できるか。どれだけアピールできるかだ。
細貝の新天地での活躍に、大いに期待したい。
(筆:小松英之)
小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川移籍後)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鋒氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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