長谷部はクラブキャリアよりW杯を優先したのか?
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長谷部がウォルフスブルクとの契約延長を希望しているとブンデスリーガの公式サイトが報じている。
これを見て思ったのは、契約満了時期との兼ね合いだ。
長谷部と同クラブの契約は2014年6月末まで。14年6月といえば、W杯真っ最中の時期である。つまり、W杯まではチームを離れる意思はないということだ。
もしも移籍を希望するなら、クラブとしては移籍金が獲得できる契約満了前に移籍させるのが常識。1年前、遅くとも半年前には選手を移籍させたい。となると、長谷部にとって、移籍はW杯出場へリスクが高まる。新しいチームになじめるかどうかは未知数だし、移籍後、試合出場に恵まれなければ、W杯で日本代表として使ってもらえない事態も起こりうるだろう。
報道で長谷部は「ブンデスリーガが世界最強のリーグだと思っている」と話している。リップサービスもあるだろうが、しかしリーグとしては、ブンデスで満足しているとも受け取れる。特に今季は欧州CL決勝が2チームともブンデスなだけに、時流にも沿った発言だ。
しかし、ブンデス内でもキャリアアップはある。バイエルン、ドルトムント、シャルケ、レバークーゼン…欧州CL常連のクラブもあるのだ。それでもウォルフスを希望するというのは、単なるクラブへのリップサービスか。それとも…
昨年、長谷部は当時のクラブ監督に干された時期があった。ベンチにすら入れなかった。その理由のひとつは、当時長谷部は英プレミアへの移籍を公言していたことだった。しかし移籍は実現せず、クラブへの忠誠心を批判され、干された。その苦い経験から学んだ今回の発言だろうか。もしそうなら、ウォルフスに残りたいという発言をしているものの、その実、水面下では移籍先を模索している可能性もある。
ウォルフスが長谷部との契約を延長しないというのは、現状からしてないと思われる。まずは、長谷部がどのタイミングでウォルフスと契約延長にサインするかが注目のひとつだ。
(筆:小松英之)
小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川移籍後)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鋒氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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