【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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なぜブンデス勢がリーガ勢に大勝したのか

イングランド・オランダ・日本・中国の各国の指導者ライセンスを所持するサッカースクール!

小松英之の連載がブログで紹介されました!

バイエルン40バルサ

ドルトムント41レアル

欧州CL準決勝ファーストレグ。

ドイツ勢がスペイン勢に大勝した。

バイエルンは元々強い。特に、今季は。だから、ホームであればバルサに勝つことは十分考えられた。しかし、40というスコアまで予想した人は少なかっただろう。

ドルトムントに関しては、さらに驚きだ。

ドルトももちろん弱くない。しかし、サッカーくじの相場が示すように、世間一般では、やはりレアル優位の予想が大方だった。ドルトのホームとはいえ、まさか41というスコアになるとは…しかも、レワンドフスキの4ゴール。すごすぎる。

だが、試合を見てみると、ドイツ勢2チームとも、このスコアで勝つだけの確固たる理由があった。

バイエルンはとにかくメッシを抑えたのが大きかった。メッシが怪我からの復帰直後で、ベストコンディションでないことも響いた。シュバインシュタイガーが攻守に素晴らしい働きを見せた。しかし、バルサはもちろんメッシ以外の選手もトップクラス。そこを抑えたのは、バイエルンのプレスのかけ方だ。通常時とは変えてきた。高い位置からバルサにプレスをかけるのではなく、バルサに後方でボールを「持たせた」。そして、パスコースを断ち切るポジショニングと、バルサが自陣に入ってきたところで激しくかけるプレス。これを実行した。こうしてバルサが得意とする、ボールまわしからの鋭い攻撃を封じた。圧倒的にボールポゼッションを支配するバルサには、攻撃時、ボール回しからゴール奪取へとチーム全体が瞬時に切り替わる「スイッチ」がある。バイエルンはその「スイッチ」を断ち切る戦術に出た。そして、見事にはまった。

こうしてバルサの攻撃を封じつつ、バイエルンはドイツ勢らしい高さとパワーで攻めた。サイドからのクロスを頭で落としてゴールを狙うという形の攻撃がはまった。リズムを作れなかったバルサは崩れ去り、大量失点を許した。

ドルトに関しては、11の局面をほとんど制覇していた。

レアルはカウンターのチームだが、アルベロア(出場停止)とマルセロ(怪我)を欠いたことが痛かった。セルヒオ・ラモスをセンターに配置するものと思っていたが、右においてバランを中央に置いた。結果論でしかないが、セルヒオを中央に置いたほうが、守備が安定したのでは…と思ってしまう。

それでも、前半までは11だから互角だった。レアルのゴール(クリスティアーノ)も相手の隙をついたもので、前半終了間際ということもあり、時間的にもゴールの奪い方もよかった。ただ、後半開始早々での失点が痛かった。試合を振り返ってみると、ドルトの得点は、前半8分、そして後半は5分。前後半どちらも早い時間帯で得点されると、リズムは作りにくい。まして、前半終了間際で追いついて後半に臨んだのに、その勢いを削がれてしまう後半開始5分での失点…DFの安定感に欠けたレアルがリズムを作れず、逆にドルトのエースを勢いづかせてしまったのが敗因だった。

数多くあるサッカーの醍醐味の中に、優勝候補筆頭が常に勝つわけではないことや、ジャイアントキリングがある。バイエルンが勝つことは予想できても40は予想できなかった。ドルトがホームで勝つ可能性もゼロではないと思っていても、41は予想できなかった。

今季の欧州CLはドイツ勢同士の決勝になるのか。

もしくは、スペイン勢がホームのセカンドレグで巻き返すのか。

バルサは4点差。

レアルは3点差。

これが最低条件だ。この点差で勝てないと、敗退する。レアルはアウェイゴールを1点奪っているのがせめてもの救い。バルサに関しては、アウェイゴールを奪われたら4点差をつけても敗退する厳しい状況だ。

セカンドレグに注目だ。

(筆:小松英之)

小松英之(こまつひでゆき)

サッカーコラムニスト。

サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。

【略歴】

静岡生まれ。

小さい頃から地元の高校である清水商業や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。

【観戦経験】

英プレミア:マンU(香川移籍後)、チェルシーマンチェスターC。

リーガ:バルセロナ

セリエ:ユベントス、ローマ。

欧州CL:バルセロナベンフィカ

【中国Cリーグ】

中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。

08年 Cリーグ武漢光谷の日系企業スポンサー募集担当。

08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。

09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。

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