代表で輝くか、クラブで輝くか、香川と本田の好対照
イングランド・オランダ・日本・中国の各国の指導者ライセンスを所持するサッカースクール!
小松英之の連載がブログで紹介されました!
代表で栄光をつかむか。
所属クラブか。
どちらがいいとか悪いの話ではない。そして選手ならどちらでも栄光をつかみたいはずだ。だが、世界最高選手のメッシでも、その両方で栄光を勝ち取ることは難しい。
香川の所属するマンUがプレミアを制した。その瞬間、香川はピッチに立っていた。フル出場。しかも、ドルトムント時代から3季連続優勝だ。ブンデスで2回、プレミアで1回。そのいずれにも、怪我がありつつ深く関わった。まさに、近年では世界で最も成功した日本人フットボーラーだ。
その一方で、香川はW杯本大会に出場すらしたことがない。南アW杯はメンバー選考に落ちた。帯同メンバーとして、練習相手となって参加したのが南アだった。それも2010年のことだから、ついぞ3年前というから驚きだ。
香川と並ぶ日本のエース。本田。
本田は香川が選考からもれた南アW杯で世界的にブレイク。初戦カメルーン戦でゴール。そしてデンマーク相手にもゴールとアシスト。しかもそのフリーキックは「Cロナウドのよう」とまで称された。その後、日本代表は完全に本田を主軸に作られてきた。尽きない本田と香川のトップ下論争にも、ザック監督は全幅の信頼で怪我以外では必ず本田をトップ下に起用した。
しかし、クラブでは決して恵まれていない。
プレミア、ブンデスどころか、本田が所属したことがあるのは、欧州ではオランダとロシア。現在所属のCSKAでは欧州CLには出場しているし、フリーキックも決めている。しかし、怪我の影響や移籍の失敗などが重なり、所属クラブでは苦しんでいる印象がある。香川がマンUという世界最高クラブのひとつにいることを考えると、その格差は大きい。
あのメッシでさえ、バルサではバロンドールを総なめにしているものの、アルゼンチン代表ではなかなか輝けない。それを考えれば、両方で輝くのがどれほど難しいかがよくわかる。
好対照な香川と本田。
ブンデスに続き、プレミアでも栄光を勝ち取った香川は、今後、日本代表で輝けるか。同時に、本田は今夏の移籍でビッグクラブへ移籍できるか。そして、新天地で活躍できるか。
まずは6月のW杯最終予選。
そして今夏の移籍市場に注目だ。
(筆:小松英之)
小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川移籍後)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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