【最多優勝vs美学vsオイルマネー -プレミアリーグのタイトルを獲るのは-】コラム:クアットロディチ第十三回(その一)
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【コラム】クアットロディチ 第十三回
『最多優勝vs美学vsオイルマネー -プレミアリーグのタイトルを獲るのは-』(その一)
2010-11シーズンのプレミアシップも残すところあと10試合あまり。シーズンも愈愈(いよいよ)佳境に入ってきた。今シーズンの優勝争いは、チェルシーの中盤の予想外の失速により、事実上、ユナイテッド・アーセナル・シティの3強に絞られた。 先日行われた第27節では、ユナイテッドのホーム、オールド・トラッフォードでシティーとの”マンチェスター・ダービー”が行われた。
今シーズンはこの時期でもまだシティに優勝の望みがあるということで、非常に盛り上がったのだが、ルーニーのスーパーゴールも飛び出し、2-1でユナイテッドの軍門に下ることになった。これでシティは1試合消化が多いながらユナイテッドとの勝ち点差は8と開いた。
しかし、彼らはまだ諦めてはいないだろうし、諦めるべきではない。
シーズン半ばには、「ホームシック発言」をするなど、相変わらずトラブルを巻き起こすアルゼンチン代表FWカルロス・テベスだが、やはり勝負所での決定力は特筆すべきものがある。ここまで18得点はユナイテッドのブルガリア代表FWディミタール・ベルバトフに次ぐ堂々のランキング第2位だし、この両ストライカーの活躍具合がタイトルの行方を左右するとすら言えるほどだ。
もちろん、シティの好調の要因は攻撃陣だけではない。ここまで24失点はチェルシーに次ぐリーグ2番目の少なさ。守備も安定しているのだ。
印象的だったのが、スパーズのホームに乗り込んだ開幕戦。大量補強をし、一体何点取るのかと期待を抱かせたのだが、連続CL出場を狙うトッテナム相手に思うように得点を挙げることが出来ず、スコアレスドローに終わったゲームだった。
しかし、それ以上にこのゲームで価値があったのは、「寄せ集め」とも言える集団が、キッチリ完封したことだ。 中でも守護神ジョー・ハートは再三のファインセーブを見せる活躍を見せた。
今季、バーミンガムから復帰したハートは、また23歳と若いが、今後のイングランド代表のゴールマウスを背負って立つ存在と目されている。
ともすれば「オイルマネーにモノを言わせた寄せ集め集団」と揶揄されるシティだが、今シーズンは前述したテベスの問題でもともすれば内乱になりかねないようなことだが、今季の彼らにはそれがなかった。「タイトル」という目標に向かってチームが一枚岩になってきている証なのではないだろうか。
また、シティはCLを戦う必要がない。 ELも確かにミッドウィークにゲームが行われるが、いきなりバルセロナと戦うことになったアーセナルの事を思えば、ずいぶん楽なミッションのはずだ。逆に勝ち進めば「二冠」というモチベーションにもなるだろう。
懸念は”経験のなさ”だが、経験のなさというのは、タイトル争いや優勝を経験しない限り、補えない。「経験がないから優勝できない」ではなくて、「何が何でもタイトルを勝ち獲る」という意気込みで選手たちはプレーしているはずだ。
たとえ今シーズン、無冠に終わったとしても、この経験は必ず生かされていくだろう。
(続く)
<筆者紹介>
中島雅淑 1983年 9月5日生まれ
19931996 地元の小学校のサッカー少年団でサッカーを始める。 当時は宇宙飛行士を夢見ていて「体を鍛えるため」という名目だったが、次第に魅力に取り付かれていく。
19961998 中学校のサッカー部に所属。
1999- 高校受験とともに辞め、進学校だった事もあり、一時期サッカーから離れるも、プレーしなくなった事により、見る「目」が肥えてくる。 また、高校2年時にはアジアカップ2000が開催され、再びサッカー熱に火がつくようになる。
2002- 大学のサークルでプレー。日韓W杯は全試合観戦。また「瑞穂陸上競技場」「豊田スタジアム」で名古屋グランパスの売り子アルバイトをしながら試合を観戦
2003- 大学中退して大阪へ 専門学校のフットサル大会のため体を動かす程度。テレビ局の関係でチャンピオンズ・リーグを定期的に観戦。
2005 3月 インターンシップで第87回センバツ高校野球のスポニチの取材補助を経験。
2006- 仕事の関係で東京へ プレーはしなくなるが、WOWOWに加入していたため、毎週リーガエスパニョーラを観戦。
2007- 地元岐阜に帰還。 FC岐阜が財政危機に陥っているという話を聞き、「地元のクラブを助けなければならない」という思いから、定期的にスタジアムに観戦に行く事になる。
また、市民参加型インターネット新聞新聞サイト「オーマイニュース」に登録して、スポーツ記事を主に発信。年末には活躍が認められ韓国での記者交流会に参加。
2010- テレビ局の関係でプレミアリーグを見るようになる。
<エピソード>
嫌がる元カノを無理矢理瑞穂陸上競技場のグランパス戦へ、 せっかくガストでいい感じで女の子と食事していたのに02/03のクラシコがテレビ放映されていたため、気がそっちへ行ってしまった実績あり。
波乱万丈な人生を歩む、だが東海屈指にフットボールを愛している27歳の男。
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