日本は目標をW杯優勝にすべきだ
日本代表、あの感動をもう一度…
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これが怒らずにいられようか。
あまりにふがいない結末に、状況説明をすることさえためらわれる。セルビアは国内組のみで来日した指揮官はあくまで補佐。一方日本はホームで俊輔も遠藤も中澤もいる…
しかし、心を落ち着けて考えてみると、妥当な結果といえなくもない。つまり、日本代表はまだまだ世界ではこのくらいのレベルなのだということだ。にもかかわらず、怒りを覚えてしまう。なぜなのか。そしてその原因が岡田監督のこの一言にあったことを改めて思い出した。
「目標はW杯BEST4」
指揮官自らの発言である。その指揮官が率いるチームがこの結果とは。今日のメンバーに闘莉王と欧州組(長谷部、本田、松井、森本など)が入れば、BEST4を目指せるチームに突然変化するのだろうか。
もちろん、はなから指揮官のこの発言を信じていない人は多い。サッカーをよく知るもの、現実を冷静に見つめる人なら元々相手にしていない発言であろう。私自身ももちろんBEST4が可能などとは思っていないが、それでもあくまで目標設定は高く、その結果としてグループリーグを突破できれば御の字、という思いからBEST4を目指して…という文章を書いてきた。しかし、である。
スタジアム内にも見られたが、BEST4を一緒に信じて応援しているサポーターがいることも事実なのだ。そんな人たちも、指揮官が言わなければ世界でBEST4などとは考えもしなかったであろう。これは指揮官自ら火をつけたものだ。そこにメディアが乗っかって、海外でも報道されるまでに広がった。
それが、今日の結果である。指揮官は一体どんな心境なのだろう。
指揮官はまた、この試合を「いろいろなオプションを試す機会」と強調していた。それはそれでいい。しかし、オプションを試す試合で、3失点していいという道理はない。ましてやホームである。1点も取れないという道理もない。新しいオプションを試したことでコンビネーションが云々…などとはもう聞きたくない。コンビネーションがうまくいかなかったら、個人でもいいから点を取れ。それができなくて、何がBEST4か。
それにしても、セルビアの「国内組」との戦いで改めてゴールに対する根本的な違いが明らかになった。なぜ日本はあそこまでゴールできないのだろうか。普段代表でプレーしていないからなのだろうか。Jでの試合は代表では生かされないのか。見ていてはっきりわかることは、セルビアは国内組のレベルだろうと「ゴールを決めなければサッカーは勝てない」ことを身体で熟知して体現しており、日本はそれがないことだ。
まぁ怒っても仕方ない。もうこうなったらBEST4なんてやめて、いっそ目標を「W杯優勝」にしてしまえばいいのではないか。夢を見るんだったら大きいほうがいい。BEST4でも「何を寝ぼけてるんだ」といわれてしまうのなら、いっそのこと優勝にしてしまおう。オランダもイタリアもブラジルも破って優勝。アジアで初のW杯優勝国。
そんな風にやけになってしまいたいくらい残念な結果だった。今日の試合から得られたのは、普段はあまり進まない一人酒が珍しくよく進んだことくらいだ。
筆者紹介:小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。中国語教師。龍飛中国語会話スクール名誉講師。サッカー専門サイト「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。その他チェルシー、マンチェスターC、ユベントスなどの観戦経験あり。
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海シンハや武漢光谷といったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。
08年 Cリーグ武漢光谷のスポンサー募集窓口担当。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
山東魯能でコーチを務める張海濤コーチとは家にも行ったことがあるほどの仲。張コーチは08年、ドイツのケルンFCにてコーチ留学を終えて帰国した。ドイツでのコーチ留学の状況を聞けるなど、貴重な交流を重ねている。
presented by BEE Football Spirit