反町監督の涙に思う
とある記事によれば、北京から帰国した反町ジャパンは成田市内のホテルで解散式を行い、その式中、反町監督は涙を流しながら選手に謝罪したという。
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さて。この記事が真実かどうかを証明する手段はないが、この記事が実際にそうだったとして、みなさんはどう思うのであろうか。
「何泣いてんだ」
「今の日本はこんなもんだろう。なんで泣くんだ」
という反応もあれば、
「やっぱり代表監督を実際にやってみなければわからない、すごいプレッシャーがあったのだろう」
「それだけ悔しかったのだろ」
という反応もあるかもしれない。
プロのスポーツ界において、試合中や競技中に感情を顔に出すのはとてもデリケートな問題である。
笑っていると「何へらへらしてんだ。真剣味が足りない」と取られかねない。2006年W杯ドイツ大会の玉田選手などはその批判の的となった。
また、今回の反町監督のように、涙を流すと
「何泣いてんだ」「泣いて済む話か」
になりかねない。
もちろんこれは結果が伴っていないときの話だ。
プロスポーツにおいては結果がすべて。結果が出ていれば泣こうが笑おうが、少なくとも批判の対象にはならないだろう。
しかしだからといって、では結果が出なかったときにどのように反応すべきか、そこにも正しい答えなど存在しない。
そう考えると、その当事者が感じたままに反応したものに対しては批判もできなければ、同情する必要もないのかもしれない。
そういう考えから、今私自身が「反町監督の涙をどう思うか?」と問われれば、同情もないし批判もない、それがありのままの反応なんでしょうと答えるだろうか。
しかし、一点だけ言いたいのは、今大会に望む上で決して万全の体制ができていなかったこと。特にオーバーエイジ枠に関しては、私は今でも疑問が残っているのだが、そういう準備の悪さがあったのに、涙なのか??と少し冷めている気持ちもある。そう考えると、準備段階で失敗があって、それで結果が出なかったのだから、反町監督が泣こうが勝手にどうぞ…となるだろうか。
いや、でもまぁ監督本人は、もちろん、涙で全部が済むなんて思ってないだろうから…やはり今はとりあえず「お疲れ様でした」と言いたいかな…
複雑である。
ところで話は変わるが、私は日本サッカー協会に対して強く言いたい。
しっかり反省してほしい。対策を立ててほしい。
06年ドイツW杯の反省と分析、その後の対策がきちんとできているのかというと、私には疑問が残る。何のしがらみがあるか知らないが、強いサッカー日本代表を作るためにも、そこだけは絶対に妥協しないでほしい。そして、今回のオリンピックについても、きちんと総括をして、我々が納得できるような反省と今後の対策を立ててほしい。
そう願うばかりである。
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筆者紹介:
小松英之(こまつひでゆき)。静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。中国のプロサッカーリーグであるCリーグの観戦多数。
また、中国女子サッカー代表の監督を務め、現在Cリーグの強豪・山東魯能でコーチを務める張海濤コーチとは、家にも行ったことがあるほどの仲。同コーチは今年、ドイツのケルンFCにてコーチ留学を終えて帰国した。ドイツでのコーチ留学の状況を聞けるなど、貴重な交流を重ねている。