犯人は誰だ!!戦犯探し
編集:中国サッカー魂編集部
先週、アウェイのタイ戦でW杯最終予選進出を決めた日本。
3次予選を1試合残しているため、次節は勝敗はさておき、いかに最終予選への準備をするかがポイントになる。欧州組は数少ない国内組との実践の機会である。特に連携に関しては、実践を通して覚えるのが最も有効である。
さて。中国代表である。
日本がタイに勝利して最終予選進出を決めた同日、中国はホームでイラクに破れ、3次予選敗退が決まった。
正直、中国代表には失望した。もっとできたのではないか。
何よりもがっかりしたのはホームで2連敗を喫して3次予選敗退が決まったことだ。
イラク、カタール共にアウェイでは引き分けに持ち込んだ。相手がアジアの強豪であることを考えると、この引き分けは非常に意味がある。
しかし、大事な大事なホーム戦では01(カタール)、12(イラク)。せっかくのアウェイ引き分けが台無しだ。
サッカー中国代表(男子)がここ一番に力を発揮できないのは昔から言われている。それは国民性、もしくは民族性であろう。確かに、中国人は、あえてわかりやすく言うなら個人競技に強く、団体競技に弱い。オリンピックを見てみれば一目瞭然だ。オリンピックではアジアで金メダル数ナンバーワンを誇る中国。個人競技にはめっぽう強い。実際、中国語には「中国人は一人で龍。三人集まると虫」という主旨の言葉があるくらいである。典型的な「個人主義」の国民性なのだ。
しかし、サッカーは複雑な団体競技戦だ。
もちろん、その基盤となるのが個々の能力であることは言うまでもないが、ブラジルやアルゼンチンでもないチームが、個人の力を戦術の主軸におけるはずがない。もちろん、中国代表は個人の実力を軸にしたチーム作りはしていないのだが、しっかりと組織で戦術を理解して、組織で強豪に立ち向かうという意識も薄いのではないか。
中国世論の「戦犯探し」の矛先は当然のことながら代表監督のフラドに向かっている。なにせ3次予選では5試合を戦ってわずか2得点。アウェイを好ゲームで引き分けてホームで無残に負けるという失態までさらした。
しかし、監督だけの問題だろうか。
中国代表がW杯に進出するためには、日本、韓国、オーストラリア、イラン、サウジアラビア、イラクといった強豪とやりあうだけのチーム力が必要だ。プレミアリーグで活躍する選手を二人抱えている中国代表は、決して個人の力で極端に劣っているわけではない。加えて、体格や身体能力では日本や韓国、中東勢を上回るポテンシャルも持っている。
そう。今の中国代表に必要なのは組織力だ。
戦術を身につけた上で、潜在能力のある個人技をぶつけるのだ。
中国の2010年は終わった。しかし、過去を振り返っても何も始まらない。今大会予選の反省を生かし、2014年ブラジル大会を目指して、まずは次期監督の選出からきちんと弱点を補う「人選」を、中国サッカー協会にはお願いしたい。
提供:ビッグイーストグループ