【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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【縦横無尽】傲慢+保身>誠実

傲慢+保身>誠実
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180523-00000589-sanspo-spo

この問題は、極めて事故に近い人為的行為と言える。元監督も元コーチも、「ルール違反をしてまで潰せ」という意図はなかったが、追い込まれた選手は不幸にも「ルール違反をしてまでも」と認識し、実際の行為に及んでしまった。
しかし、問題の本質はそこではない。事故はどうしたって起こる。しかし、事故が起きてから「指示はしていない」という事実を世論に対抗してぶつけるだけの元監督の態度に、世間は業を煮やしたのだ。そこに、対応が遅すぎることが重なり、火に油を注ぐ結果となった。問題の本質は、元監督が取ってしまったそんな愚かな行動の奥にあるものだと私は感じている。それは何か。傲慢と保身だ。
組織の然るべき立場や役職にいる人間が責任を追求されたときに見せる傲慢で保身に走る態度を、私もまざまざと見れつけられたことがある。実に哀れだ。哀れとしかいいようがない。
だが、哀れだがまったく同情の余地もなく、同情してあげる必要もない。なぜか。それは誠実さを失ったからだ。傲慢+保身が誠実を大きく上回ってしまうとき、人間はどんな行動を取るか。それを、今回、日本社会は日大アメフト部の執行部に見た。残念でならないのは、学生が犠牲になったことだ。
例えば、こんなところか。
めちゃめちゃ体育会系の運送会社の社長が、若手運転手に「いいか。この仕事はスピードと効率が命だ。わかってるな?」と指示を出す。若手運転手はその指示に支配されてスピード違反を繰り返し、交通事故を起こす。マスコミに対して社長は「スピードと効率が命だとは言ったが、交通ルールを無視してまでやれとは指示してない」と語る。そりゃそうだろう。どこの組織に「ルール違反してでもやってこい」とはっきり言うリーダーがいるのか。それでも、事故は起こりうるのである。そんな場合の誠実>傲慢+保身は、トップがすぐに出てくることである。そして、「私の指示が過度なプレッシャーを与え、痛ましいことが起こった。私の指示は直接的にはルール違反をしろとは言っていなかったが、事故を起こさせた責任は私にある」。そこから、ひとつひとつ、目の前のやるべきことに対処し、その都度、経過報告をする。その姿に人は「誠意」を感じる。そして、本物の誠意から発する言動をさらに責め立てるほど、日本人は意地悪ではない(一部を除いて)。
傲慢と保身が誠実を上回ってしまう時の醜い人間の哀れな姿。よくよくこの目に焼き付けておこう。

 

中国人は「反日」なのか: 中国在住日本人が見た市井の人びと

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