【小松英之】ポイントとなるザックジャパンのDFをひもとく
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※小松英之による日本代表23名の解説を音声で聞く
ザックジャパンの生命線はDFにあると見る。
攻撃陣、特に2列目の3人(本田、香川、岡崎)はコンディションがよければ、世界の強豪相手からでも得点を奪える。この3人にサイドバックがうまく絡めば、昨年コンフェデのイタリア戦、11月の欧州遠征でのオランダと引き分け、ベルギーに勝利したようないい試合が期待できる。
だが、攻撃的布陣で臨む分だけ、守備ではリスクを犯すのだ。
だからこそ、DFが鍵だ。いかに失点を防ぐか。少なくするか。
岡田ジャパンの戦い方ではなく、正真正銘の日本の攻撃的スタイルで挑むのが今回のW杯だ。
日本のDFの課題。
それは、相手の押し込まれたときのラインコントロールにあるのではないか。
押し込まれるのだから、ラインが下がるのは仕方がない。
だが、ずるずると下がってしまう、というより、相手を恐れて、もしくは相手の勢いに押されて、あれよあれよという間にといったほうが正確かもしれないが、下がってしまうことが恐いのだ。
世界の強豪にはドログバクラスのFWがいる。
そういう選手はゴールに近づければ近づけてしまうほど、日本の失点の可能性が高まってしまう。
だから、ラインコントロールが、特に相手に押し込まれたときのコントロールが大事だ。
押し込まれているのだから、大胆なラインの上げ下げはできない。
しかし、ほんの少しだけあげる。
もしくは下げずに踏ん張る。
これが大事だ。それだけで、相手FWはオフサイドを気にして前に出にくくなる。ということは、相手FWにゴールまでの距離をある程度取らせることができる。
これはギリシャのカウンター対策についてもいえる。
カウンターだから、守備陣が整わない間にやられてしまうこともあるが、しかし、少しでもボールの出所をチェックして相手のスピードを鈍らせれば、DFが少し楽になる。そしてラインを形成し、踏ん張るのだ。相手のスピードと勢いに負けて下がり始めると相手のチャンスが増える。しかしDFラインが踏ん張れば、ボランチもそれに連動して前で守れる。さらに、DFを前で保てば、GKの飛び出すスペースが広がる。相手カウンターが日本のDFの裏に出してくるスルーパスをGKがケアすることも可能になる。
日本のラインコントロールは吉田がキーマン。
それだけに、吉田のできが、いざというときに日本の結果を左右するといっても過言ではない。
日本はどれだけDFラインを高めに保てるか。
注目したい。
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小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」}は中国語の「中国超級聯賽」の略です。
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