【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

中国が発信している情報を偏見なく紹介します。その他、趣味のサッカー(ガンバ大阪/清水エスパルス/バルセロナ)やお酒の話題など。

【連載】People with Yuto中村祐人と共に3/8

People with Yuto中村祐人と共に

Person 02 伊藤紘平

Interview 2 of 2

続いて、伊藤選手に中村祐人について聞いた。

—まずは率直にお伺いします。あなたにとって、中村祐人とは、どんな存在ですか?

伊藤紘平「私は今シーズン、プロ一年目なんです。そんな私にとって、『プロのサッカー選手というのは、どういうものか』というのを、祐人さんの近くで学ばせていただいています。プロとして尊敬する大先輩です」

—何か、具体的に中村祐人選手から教わることがあるんですか?それとも、純粋に見て学ぶ存在ですか?

伊藤紘平「どちらもありますね。教えていただくこともあります」

—例えば、どんなところを学びましたか?

伊藤紘平「ピッチ外では自己管理。今、祐人さんがやっているグルテンフリーの食事法だったり、練習前のストレッチだったり。身体が資本の職業ですので、いかにその身体をケアするかを学んでいます」

—なるほど。チームメートとしての中村選手については、どうですか?

伊藤紘平「祐人さんはキャプテンなんですが、自分からチームメートに声をかけて、盛り上げてくれるタイプのキャプテンなんです。厳しいことを言ってまとめるタイプではなく、チームの雰囲気を盛り上げて、みんなが和気あいあいとした空気感を作り出す。そういうところも勉強になります」

—他のチームメートはどう感じているのでしょうか?というのも、中村選手は実績面では申し分ない。しかし、黄大仙では移籍一年目でいきなりキャプテンになったわけです。長くこのクラブでプレーしてキャプテンになったわけではない。そういう人事に対して、他のチームメートから不満の声があがることはなかったのでしょうか?

伊藤紘平「ありませんでしたね。そこがすごいところで、先ほど言ったように、自ら声をかけて、積極的にコミュニケーションして、一体感を作っていくキャプテンなので、不満の声を聞いたことはありません」

—では、ストライカーとしての中村祐人選手は、伊藤選手から見て、どんな存在ですか?

伊藤紘平「もう完全に信頼できるFWですね。ボールは収まるし、ゴールも決めてくれる。それは試合のときだけでなく、練習からそうなんです。練習のときから、一番多くゴールを決めているのが祐人さんなんです。だから、僕はきちんと守って、奪ったボールを祐人さんに送って。そしたらきっとゴールを決めてくれる。そういう信頼感がありますね」

—それは、伊藤選手以外に、他のチームメートもそう思っているのでしょうか?

伊藤紘平「はい。チームメートも『中村のシュート技術はすごい』って言ってますからね」

—伊藤選手から見て、中村祐人選手のすごさというのは、どの辺にあると思いますか?

伊藤紘平「基本的な技術のレベルがすごく高いところです。例えばボールコントロール。トラップひとつ取っても、今、その状況でどういうトラップをすべきなのかが瞬時に判断できていて、例えば相手が寄せてきているなら、トラップして奪われない位置にきっちり止めるとか。本当に基本的なことなんですけど、その技術がとにかく高いんです」

—他にもありますか?

伊藤紘平「シュート技術もすごいですね。ただ強く蹴るだけではない。どこに蹴ればシュートが決まるか。それがわかっていて、しかも思ったところに蹴れる。だから、ボールを流すようにゴールを決めることもありますし、本当にその技術の高さはすごいと思いますね」

—先ほど、ボールが収まるというお話がありました。どうして中村祐人選手は前線でしっかりとボールを収めることができるのでしょうか?

伊藤紘平「まずはかけ引きがあると思います。ボールを受けるまでの動きで相手DFとかけ引きをして、自分が受けるときにはフリーになっている。または、例え相手が寄せて来ている場面でも、かけ引きをして、自分がボールを受けやすいポジションを確保している。そういうところではないでしょうか」

—香港リーグには、中村祐人選手より屈強なフィジカルをもった外国人選手がたくさんいます。そういう中でも非常に高い確率でボールを収めることができるのには、そういう理由があったんですね。

伊藤紘平「そのかけ引きにプラスして技術があるからだと思います。身体の使い方がうまいから、たとえ自分より大きな相手と競り合っても、しっかりボールをキープできるのだと思います」

—他にも、中村祐人選手から教えられることはありますか?

伊藤紘平「とにかく、私は祐人さんと一緒にいる時間が多いんです。練習はもちろんですが、練習後に一緒に食事をしたり。そういう中で、チームのことやトレーニングのこと、試合のことなど、いろんな話をするんですが、そういう会話が常に学びの場となっています。それから、祐人さんの周りには、いろんなサッカー選手の知り合いがいますから、そういう話を聞くと、田舎でずっとプレーしてた僕なんかは、とてもテンションがあがりますね」

—そうですか。わかりました。それでは最後の質問です。改めてお聞きしますが、あなたにとって、中村祐人とは、どんな存在ですか?

伊藤紘平「プロサッカー選手としての基盤を作ってくれている存在、ですね」

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聞き手:松本忠之

中村祐人(青)

参考資料

「伊藤紘平、プロの夢『香港でつかむ』 酒田出身、最高峰リーグ挑戦」(山形新聞