中村祐人の劇的ロスタイム弾でサウスチャイナがカップ戦決勝へ!
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」(中国プレミアリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。
また、香港プレミアリーグについては「香港超級聯賽」と記します。
香港超級聯賽(香港プレミアリーグ) カップ戦 準決勝 サウスチャイナ21太陽ペガサス
劇的!ロスタイム4分!
3月21日モンコックスタジアムにて行われた1415香港プレミアリーグカップ戦準決勝。中村祐人の所属するサウスチャイナは同じく「香港プレミアBIG4」と称される強豪・太陽ペガサスと対戦した。試合は序盤からエース中村が積極的にゴールを狙いに行くも、前半35分、太陽ペガサスに先制点を奪われる苦しい展開に。前半は01とリードされたまま折り返す。
1点ビハインドで迎えた後半。70分にサウスチャイナ待望の同点ゴールが生まれる。伊達がいれたクロスを陳肇麒が頭でねじ込んで11。そして迎えたロスタイム。先制点をあげた陳肇麒がPA外から強烈なロングシュート。このシュートは惜しくもポストにはじかれるが、ボールの先に待っていたのは…エースストライカー中村祐人だ。このこぼれ球を落ち着いて左足でシュート。このゴールでサウスチャイナが劇的逆転勝利でカップ戦決勝へ駒を進めた。
それにしても、以前にも書いたが、中村のセカンドボールへの読みは本当に素晴らしい。まさにワールドクラスだ。決して偶然中村の前にボールが来たのではない。その独自の嗅覚でしっかりとポジショニングしているのだ。その証拠に、この決勝ゴールの映像を見てほしい。
中村祐人の劇的ロスタイム弾(40秒から)
なんという落ち着きか。そして余計な力みがなく、しっかりとミートしている。試合展開を考えてみてほしい。強豪ライバルとのカップ戦準決勝。11。ロスタイム。この状況で「たまたま自分の前にこぼれ球がきた」としたら、これだけ冷静に、きっちりと決勝ゴールをあげることはできまい。
よく日本人の決定力不足が話題になるとき、ゴール前での冷静さが足りないという原因があげられる。FWなら、ゴール前では、どんなボールがきても、どんな状況下でも、冷静に対処できなければならない。その冷静かつ確かなテクニックでゴールをたたきこんだ中村のプレーには、日本人離れしたサッカーセンスを感じる。さすがに海外で鍛えられてきたプレーヤーだ。
これでサウスチャイナはカップ戦決勝へ。決勝は4月22日。相手は傑志。決勝でも中村のゴールに期待だ。
松本忠之(まつもとただゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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