いよいよ佳境へと向かうリーグ戦を占う
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」(中国プレミアリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。
また、香港プレミアリーグについては「香港超級聯賽」と記します。
アジア杯が終わり、欧州組はシーズンの後半戦をスタートさせた。一方、JもCも現在はシーズンオフ。補強やキャンプの話題が中心だ。そんな中、欧州と同じくシーズン中のリーグがある。「香港超級聯賽」(香港プレミアリーグ)だ。その最新順位を見てみよう。数字は勝ち点。
1、東方 22
2、太陽飛馬 19
3、南華 19
4、傑志 17
5、YFC澳滌 13
6、標準流浪 10
7、天行元朗 7
8、大仙 6
9、和富大埔 2
全9チームで争われる香港超級聯賽は第10節を終えている(一部のチームは未消化試合あり)。
首位を走るのは東方。マカオのカジノ企業がバックアップする資金力をいかして強力な外国人選手を獲得し、1試合少ない9試合で勝ち点22。2位の太陽飛馬と3位の南華はともに10試合を消化しているため、東方は勝ち点以上に有利な状況とも言える。
さて。この香港超級聯賽で私が注目しているチームは現在3位の南華だ。英名でサウスチャイナといえば、ご存知の方もいるだろう。そう、香港が誇る名門クラブで、中国での知名度は高い。昨年の夏からこのチームに移籍した中村祐人選手だ。以前、香港で観戦させていただいた試合のレビューを書いたこともある。
中村祐人非凡なる才能を持ったポリバレントなプレーヤー
今季ここまで公式戦9ゴール。その決定力の高さからは想像もつかないほどパスやゲーム展開の読みが素晴らしく、私は最初、ボランチが本職の選手かと思ったくらいだ。
この中村選手擁するサウスチャイナは、リーグ後半戦、格下との対戦が続く。連勝でしっかりと勝ち点を積み上げていくことが至上命題。なぜなら、リーグ最終節は現在首位の東方との対戦があるからだ。その前に優勝争いから脱落してしまっては最終節の意味がなくなってしまう。また、3月15日には東方と太陽飛馬の対戦があり、ここで上位同士の潰しあいが起こる。それゆえ、格下との対戦では勝ち点の取りこぼしは許されない。逆に、サウスチャイナがしっかりと勝ち点を積み重ねていけば、リーグの盛り上がりとしては最高の展開となる「最終節での優勝決定戦」というシナリオもあり得なくはない。
日本人選手がストライカーとして活躍しているサウスチャイナ、そして香港リーグからも目が離せない。
※ブログ記事へ寄せられたコメントへの返信は、ツイッターで行っています!
小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」の略です。
BEE Football Spiritは「上海をサッカーの街にするプロジェクト」をサポートします!