指揮官に迷い?定まらぬ左SB
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」(中国プレミアリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。
いよいよ開幕間近のアジアカップ。だが、ここにきて中国代表はまだ左サイドバックのレギュラーが定まっていないようだ。(中国代表はザックジャパンと同じ4231)。
現地入りしてからの紅白戦や練習試合。ぺラン監督は複数の左SBを試している。しかし、常に主力組としてスタメンしている固定選手がいない。第一候補は任航(江蘇)で、クラブでも左SBの位置を務めているが、ぺラン監督は左MF(ウイングバック)として起用したい意向があるようで、現地入りしてからの数試合は左MFだ。では、その間誰が左SBを務めたのか。
まずは琳芃(广州恒大)。ぺラン体制になってから何度か左SBを担当したことがある。しかし、琳芃は中盤もできる選手で、今回のアジアカップメンバーから霆と李学(いずれも広州恒大)というチームメイトが漏れたこともあり、ぺランは琳芃をボランチとして起用する考えもあるようだ。そうなると、次の選択肢は姜至(广州富力)だが、ぺラン監督の眼鏡にかなわなかったのか、それとも秘策なのか、先日の親善試合では中盤の左で起用された。守備力より攻撃力を買っての起用なのか?これには中国メディアも困惑している。
そしてここへきて、なんとぺラン監督は右SBの梅方(广州恒大)を左で起用した。現地で最後となる親善試合での出来事だ。左SBが定まらないとはいえ、直前で右が本職の選手をコンバート。これにはチームメートも驚いた様子だが、当の本人は意外にも平静。「以前、オマーン戦でも後半から左をやったし、そんなに驚きだとは思わない」。そして「どこでも与えられたポジションで全力を尽くすのが選手の責務。アジアカップに連れてきてくれた監督に感謝しているし、全力でプレーする」とむしろチーム内で自身を重視してくれている監督に感謝している様子だ。
定まらない左SB。これがぺラン監督が相手を惑わすための情報戦なのか、それとも最後まで適正を見極めているのか。真相は初戦のスタメンで明かされるだろう。
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小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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