日本人監督、屈辱の降格…
岡田武史監督が以前、中超の杭州緑城で2シーズンにわたり指揮を執ったことは日本でも有名だが、その後、もう一人の日本人監督が中超クラブに誕生していたことはあまり知られていない。
大連の倉田安治監督だ。
最終節、すでに降格が決まっていたハルビンのほかに、もう1チームの降格が決まる戦い。
大連はアウェイで上海申鑫と。また大連と残留争いを繰り広げる河南は首都に乗り込んでの北京との一戦。
結果は両試合とも引き分け。その結果、最終の勝ち点は河南30、大連が29となり、今シーズンの中超の降格クラブは15位大連、16位ハルビンと決定した。
試合後、屈辱の降格が決まった大連の倉田監督は会見で語った。
「最終的に引き分けとなってしまった。同じスコアになり、もうひとつゴールを奪って勝ちたかった。だが降格が決まってしまった。申し訳なく思う」。
記者から「給与遅配の影響か」と聞かれると「それはない」と答えた。
大連といえば、中国ではサッカー王国。日本でいう静岡のような地域だ。
今季、Jでも清水が降格の危機に瀕している。中国では一足先にサッカー王国のクラブが降格してしまった。
個人的な話だが、私の祖父は大連に移民し7年住んでいた。私の父は大連生まれである。我が家の中国ルーツは大連にある。そして、私が生まれたのは静岡である。日中共にサッカー王国にルーツがある。だからこそ、この二つのクラブには特別な思い入れがある。清水はなんとしても残留を勝ち取ってほしい。
なお、大連の倉田監督の去就については、まだ発表されていない。
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」の略です。
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小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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