出獄で中国サッカー暗黒の歴史に一幕
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本日、ひとりの男が出所した。
その名は陸俊。中国サッカーに詳しい者なら聞いたことのある名前だ。
サッカーとはいっても、選手ではない。監督でもない。中国で輝かしい経歴を持った審判だ。
19歳でサッカー審判の世界に入ってから、1991年に国際審判に。中超(以前は甲級リーグ)で200試合以上の主審を務め、何度も最優秀レフェリーに選出された。そしてキャリアの頂点はW杯とオリンピックの決勝戦の審判団に選ばれたことだ。中国人レフェリーとして初の快挙であった。2005年にレフェリーとしてのキャリアに終止符を打った。
だが…
その輝かしい功績は中国サッカー界に永遠に残ると思いきや、思わぬ形で歴史に名を残すことになった。
2011年、ある事実が判明する。2003年に陸俊は上海申花から35万元の賄賂を受け取り、同チームに有利になるように笛を吹いて優勝に導いたのだ。2011年12月に行われた裁判では、さらに賄賂を受け取っており、最終的にその額は81万元にのぼったと自白。収賄の罪で服役した。
その陸俊が本日、釈放されたという。ただ、釈放されたとはいえ、もちろん、すべてのサッカー審判としての活動は禁止だ。
だが、罪をしっかり償って出てきたのだから、今後は中国サッカー界の浄化維持のためにまい進してほしい。
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小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」の略です。
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