【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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本田不要論を問う調子の悪い本田は要らない?

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※小松英之による日本代表23名の解説を音声で聞く

本田が今季決して好調ではないことから、ザックジャパンでのスタメン確定を疑問視する声が一部報道で見られる。また、それに反発するかのように、ザックは本田と心中するつもりなどと大げさに書くメディアすらある。

果たして、調子が悪かったら本田はザックジャパンに不要なのだろうか。

私見を述べると、やはり本田は必要だ。

同じようなケースとして、2010年南ア時の中村俊輔を例に挙げてみようと思う(もちろん簡単には比較できないが)

予選では絶対的エースとして日本代表を本大会に導き、監督からの信頼も絶大。

そんな選手が本大会直前にスタメン落ち。

それが南ア時代の俊輔だった。

「予選では絶対的エースとして日本代表を本大会に導き、監督からの信頼も絶大」

これはザックジャパンでいえば本田となる。

さて、俊輔のときの特徴は、岡田監督が本大会直前で戦術を変更したことだ。

守備的にいかなければ、とても太刀打ちできない。そう判明したことで、それまでの「アジアモード」を「対世界モード」に切り替えた。そしてその戦術は的中。アンカーに阿部を置いたことで日本代表のDFは安定し、強豪オランダにさえも失点を1しか許さなかった。そして、この戦術の余波を受けて屈辱のスタメン落ちとなったのが俊輔だった。

つまりは、「アジア予選の絶対的エースで監督からの信頼も絶大」な選手が「直前の戦術変更」によりスタメン落ちしたのが2010年だ。ということは、ザック監督が「直前の戦術変更」をするかどうか。するなら本田スタメン落ちもありうる。

だが、「直前の戦術変更しないけれども、コンディションが思わしくないから、本田をベンチスタートにさせる」可能性はきわめて低いと思われる。ザックは戦術を変えまい。ということは、これまでの集大成で世界の強豪にがちんこ勝負を挑むわけだ。それなら、コンディションもさることながら、「戦術理解度」もしくは「戦術熟成度」も重要になる。サプライズで入った大久保がトップ下を含む複数のポジションをこなせるだけに、大久保トップ下待望論が出たりしているが、ザックジャパンの戦術熟成度は本田に比べたら低いには当然だ。

もしも、香川のコンディションがトップであれば、「香川トップ下待望論」が出ていたかもしれない。ザック監督のトップ下のセカンドチョイスは香川だからだ。しかし、幸か不幸か?香川もユナイテッドで出場機会に恵まれず、不遇のシーズンを過ごした。だから、「香川トップ下待望論」も出てこない。

そもそも、本田のコンディションや試合出場不足は最終メンバー発表の際にははっきりしていたのだから、もともと本田をはずす想定をしていたなら、中村憲を最終選考時に招集していたのではないか。しかし、ザックは大久保や斉藤を選んだ。ということは、トップ下はもう本田に任せると決めているのだろう。

というわけで、やはり本田は必要だ。

しかしそれは、コンディションの悪い本田とザックが心中などといった悲壮感漂うものではない。

ザックがプロのサッカー監督として、世界の強豪を知る監督として、W杯本大会に臨むとき、どの布陣とメンバーがもっとも勝率が高いのかを判断しての本田起用だろう。

かくなるうえは、本田にコンディションを高めてもらって、本田自身のプレーによって、「本田不要論」を吹き飛ばしてもらいたい。

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小松英之(こまつひでゆき)

サッカーコラムニスト。

サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。

【略歴】

静岡生まれ。

小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。

【観戦経験】

英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシーマンチェスターC。

リーガ:バルセロナ

セリエ:ユベントス、ローマ。

ブンデスニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV

欧州CL:バルセロナベンフィカ

【中国Cリーグ】

中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。

08年 Cリーグ武漢光谷の日系企業スポンサー募集担当。

08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。

09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。

※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている%color(red){「中超」}に統一いたします。%color(red){「中超」}は中国語の「中国超級聯賽」の略です。

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