【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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小松英之が語る!ブラジルW杯日本代表23名

2014年ブラジルW杯すべてのグループリーグを解説します!

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※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」の略です。

小松英之氏に23名について振り返っていただきました。

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ーーたくさんの報道が出ているので、ポイントを絞って解説していただきたいと思います。まず、いわゆるサプライズの大久保、そして落選と言われている細貝。ここについてはいかがですか?

ザック監督の解説では、より攻撃的にいくために、ボランチを削ってFWを入れた、となっています。これは、完全に「選手交代」を意識してのことです。大久保、細貝。ともに日本代表のレギュラーではないので、基本的には途中出場の要員です。言葉はよくないですが、途中から入る「手ごま」として、ザック監督がどのような選手を置いておきたいか。そこだと思います。

細貝選手のストロングポイントはなんといっても守備です。ボール奪取能力に長け、球際が激しく、欧米の屈強な相手にもフィジカルで負けない。ドイツでレギュラーとして1年間プレーしてきたというのも大きい。その細貝選手が試合途中でピッチに入るということは、当然「守備固め」のときでしょう。ということは、日本代表がリードして、そのリードを守り切りたいから、細貝選手を投入して試合を終えようとする。そういう展開です。ただ、残念ながら、同じグループの相手を見たときに、決してその展開になる確率は高くない。むしろ、リードされていて点がほしい、同点でなんとかあと1点ほしい、そういう展開になる確率のほうが高い。

それゆえ、ボランチを削ってでも攻撃的な選手を入れるべきだとザック監督は考えたのでしょう。

ーーただし、ボランチの長谷部は怪我から復帰したばかりでコンディションにまだ不安があります。

そこですね。コートジボワール戦でボランチの位置に遠藤と共に立っているのは必ずしも長谷部とは限らない。では、その時はだれか。第3ボランチは、先発要員としてもいける選手でなければならない。そう考えたときに、東アジアカップ以来からのパフォーマンスを見たときに、山口蛍選手が優先されたのでしょう。また、青山選手の名前があがったときも「おぉ」という声があがっていましたね。ミスが少なく、バランスの取れた選手。先ほど、細貝選手の部分でも触れましたが、守り切りたい試合展開の時は、山口選手も十分DF能力が高く、そのタスクを守れる選手。それなら、ボランチにもう一人、遠藤と長谷部のバックアッパー、つまり先発からいける選手をということで、青山選手が選ばれたのではないかと思います。細貝選手は所属クラブでは試合に出場していましたが、ザックジャパンとして出場したときのパフォーマンスの低迷が影響したのではないかな?と感じます。

ーー攻撃的な選手を優先して大久保が入ったとのことだったが、斎藤学選手も入りました。

斎藤選手はやはりドリブルでしょうね。今回の23人の中で、純粋なドリブラーって斎藤選手くらいしか思い浮かばないですね。乾選手がこれまで招集されていきていた枠に、斎藤選手が選ばれたという感じです。ここについては、大久保、斎藤という二人が選ばれたことにより、ザック監督の方向性が見えてくる。つまり、交代要員としていくときは、高さではなくスピードや裏へぬける動きで行く、ということです。豊田選手が選ばれなかったことがそれを象徴しています。恐らく、ハーフナー選手を召集していた時代も含めて、途中交代の選手を入れて、世界を相手に、ゴールをこじ開けたいと考えたときに、高さや強さではなく、スピードやドリブルでの仕掛け、裏に素早く抜け出す動きなど、そちらを優先したのでしょう。それが、大久保、斎藤という選出に表れていると思います。

ーー最後に23名全体を振り返って。

ザック監督就任以来の総括のメンバー、という感じです。

欧州組で以前は常連だった細貝やハーフナーがはずれて東アジアカップ以降の柿谷、大迫、森重、青山なんかが入ってきた。また、高橋、栗原、駒野、槙野といった選手もザックジャパンでは過去に招集されていましたが、はずれました。またいわゆる当確線上だった豊田、工藤、高萩、鈴木大輔といった選手は残念でした。年齢的にもう次を狙うには難しい選手もいますが、それでもブラジル以降を目指してがんばってほしいですね。

そして何より、やはりザックジャパンの中核を担うレギュラー選手たち。この人たちにかかっている。本田、香川、岡崎、長友、長谷部、遠藤、内田、川島、吉田、今野…こうした人たちが、チーム全体を引っ張りながら、ベンチも含めた素晴らしい団結力をこれから作りだして、チーム一丸となって戦える集団になっていくと思います。やはり所詮が大事。コートジボワール戦の勝利をまずは期待したいと思います。

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筆:小松英之 ツイッターはこちら

小松英之(こまつひでゆき)

サッカーコラムニスト。

サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。

【略歴】

静岡生まれ。

小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。

【観戦経験】

英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシーマンチェスターC。

リーガ:バルセロナ

セリエ:ユベントス、ローマ。

ブンデスニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV

欧州CL:バルセロナベンフィカ

【中国Cリーグ】

中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。

08年 Cリーグ武漢光谷の日系企業スポンサー募集担当。

08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。

09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。

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