強力な外国人アタッカーこそいないものの川崎に善戦
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ACL 川崎(H)10貴州
チームの実力差でいうならば、川崎のほうが上だろう。しかしながら、強力な外国人アタッカーがいないにも関わらず、Cリーグを昨季4位でフィニッシュした貴州も弱くはない…
ACLグループリーグで貴州は川崎に乗り込んでの試合。01で敗れた。試合を見ていて思ったが、敗れはしたものの、いい試合をしていた。ゴールを奪えそうな気配があったし、貴州のホームなら勝機も十分にありそうだ。
貴州というチームは中国人にとっても、今季ACL出場のCクラブの中でなじみが一番薄いチームだろう。今季、ACL出場のCチームは広州、山東、北京、そして貴州。広州は言うまでもなく、リッピ監督率いる昨季のACLチャンピオン。山東と北京はCリーグでは上位常連の強豪チーム。また、広州、北京、そして山東省は中国の中でも大都市である。
それに比べて、貴州は小都市であり、ど田舎(というイメージ)。私は一度だけ足を運んだことがあるが、省都の貴州市こそ大きいものの、貴州省という括りで見たときは、少数民族が多く住む南西の小都市というイメージだ。有名な産物といえば、貴州チームの胸スポンサーにもなっている中国の銘酒「矛台酒」くらい。
そんな貴州はCリーグのチームがよく揶揄される「得点力は外国人助っ人頼み」という現実にも当てはまらない。DFに二人外国人選手を配するが、攻撃陣は純華製(和製に対して華製)。そこに中国A代表の曲波、そしてマンCでもプレー経験のある孫継海が加わり、Cリーグを4位でくぐり抜けてACLに出場してきた。
チーム力、そして国際経験的にも他の3チームに劣る貴州がどこまでJクラブ相手にやれるかは、ある意味ではCクラブの底上げというか、どこまでCがJに通じるのかというリトマス試験紙的な意味合いも私にとっては秘めていた。
その結果が出た。
CはJとやれる。張り合える。広州は規格外として、その他のCリーグも十分Jとやれる。そして、それが結果となって現れたとき、Cリーグはこれまで以上に自信を持つことができる。
C4位の貴州でも、Jクラブを倒したではないか。
グループリーグを突破したではないか。
どうか貴州には、広州、北京、山東といった大都市のクラブの存在感に負けない「結果」という絶対的存在感をACLの舞台で示してほしい。
それが、Cリーグの底上げにつながるはずだから。
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筆:小松英之 ツイッターはこちら
小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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