【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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本田のゴールに「相手はセリエBじゃん」とは言うものの…

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ミラン本田が、昨日のカップ戦スペツィア(セリエB)戦に先発出場し、47分に移籍後初ゴールを決め、チームの3—1での勝利に貢献。ミランは8強進出を決めた。

本田の初ゴールに「相手はセリエBだ」(つまり格下だ)との声もある。確かに、ユーベからゴールを奪うのと、この日のゴールでは違いはある。しかし、それを差し引いても重要なゴールだった。その理由はいくつかある。

1、初先発でのゴールであった。

初先発はもう二度とやってこない。もちろん、今後、まだ「リーグ戦初先発」はあるが、ミランでの先発デビューはこの日限り。その試合で決めたことが素晴らしい。

2、チームに合流してまだ半月足らず。

思えば本田がミランに合流したのは、1月に入ってから。このわずかな短期間で溶け込み、さらに周囲を納得させるには、相手がどうであれ、ゴールという結果が最良である。

3、むしろ初先発の相手がセリエBでよかった。

相手が格下のほうがゴールを決めやすいのは当然。初先発の相手がBクラスという格下のチームであったことは、逆にいえばよかった。チームに合流してまだ半月足らずでいきなりユーベやナポリやローマからゴールを奪えというのも、どだい無理な話。しかし格下相手なら可能。とにかく、ゴールを決めるという結果がサッカーにおいては大事なのだ。

4、カップ戦も落とせない。

ミランはリーグで順位が悪い。優勝はまず無理。欧州CL圏内すら可能性は高くない。そうなると次の目標はEL。そんな状況下、カップ戦は大事になる。カップ戦優勝はミランにとって来季を考えたうえで非常に大事になる。そのカップ戦でのゴールであった。

5、チームが新体制であった。

アッレグり監督の解任。すでに次の監督にセードルフが決定しているが、まだチームに合流していない。この試合はタソッティ監督代行が指揮を取ったが、セードルフ監督までのつなぎ役とはいえ、そんなこと結果には関係がない。たとえチームが監督不在だろうと、つなぎ役であろうと、1敗は1敗。1勝は1勝。むしろ監督交代の激動期であるからこそ、勝利という結果が必要だった。

6、リーグ戦で嫌な負け方。

ミランは先日のリーグ戦で昇格組のサッスオーロに4発喰らって負けるという嫌な負け方をしたばかり。チームには「流れ」がある。リーグ戦だろうとCLだろうとカップ戦だろうと、チームとして戦っているからには、そこには試合の性質に関係なく「流れ」が存在する。そんな、嫌な負け方を払しょくする意味でも、相手がBクラスでしっかり勝てたというのは大きい。実際、パッツィーニも試合後、こう述べている。

「今のチームは難しい状況にある。だから今日はとにかく勝つことだけが重要だったんだ。チームは多くのことを改善しなければならず、そしてそれを全員が分かっている。日曜日の試合でもこのいい流れを繰り返して、さらにそれを今後も継続していかなきゃいけないね」

ともあれ、相手がどこだろうと、公式戦であり、チームにとって重要な試合であり、なにより、スタジアムに足を運び試合を見ているサポーターもいるのだ。しっかりとゴールという結果を出したこと。それを評価したい。

さぁ。

次はリーグ戦でのゴールだ。

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筆:小松英之 ツイッターはこちら

小松英之(こまつひでゆき)

サッカーコラムニスト。

サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。

【略歴】

静岡生まれ。

小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。

【観戦経験】

英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシーマンチェスターC。

リーガ:バルセロナ

セリエ:ユベントス、ローマ。

ブンデスニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV

欧州CL:バルセロナベンフィカ

【中国Cリーグ】

中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。

08年 Cリーグ武漢光谷の日系企業スポンサー募集担当。

08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。

09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。

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