コンディションの言い訳はできない代表の攻撃陣
イングランド・オランダ・日本・中国の各国の指導者ライセンスを所持するサッカースクール!
※ブログ記事へ寄せられたコメントへの返信は、ツイッターで行っています!
小松英之のツイッターはこちら
日本代表が欧州合宿をスタートさせた。
欧州組が続々と合流。移動時間が少なく時差もない。日本で行う試合に較べたら、コンディション的にだいぶ楽だろう。
その分、言い訳はできない。
「長距離移動で…」「時差で…」という理由は存在しなくなる。
同時に「試合勘」も問題になる選手は少ない。CBの吉田以外の欧州組(代表のレギュラー陣)はほとんどが所属クラブで試合に出ている。一番懸念された香川もここ最近は試合に出場しているし、岡崎、本田も試合勘に問題はない。1トップは柿谷でくるだろうが、それ以外の前3枚はコンディションはいいはず。だからこそ、オランダやベルギー相手にも恐れず、積極的に攻めて、ゴールを奪ってほしい。
内田、長友のSB二人は好調を維持しているし、控えのW酒井も試合に出ている。SBは日本のストロング・ポイント。頼もしい。
長谷部と清武も試合に出続けている。ただし、この二人はチームがいまだに勝ち星がないという不安がある。試合には出ているものの、成績がよくない。下手をしたら、来季はチームが降格になる。同じ試合に出ている状態でも、欧州CLを戦う内田や、チームもまずまずでゴールを決めたばかりの長友とはメンタル面が違う。しかし、だからこそ、代表では結果を残したいところだろう。
ボランチの細貝も今季はチームが変わり、出場を続けている。代表ではいまいちフィットしていないが、W杯本番が近づくにつれて、彼のDF力は日本代表にとって貴重なものになるに違いない。ザックが守備的な戦い方に変更するとは思えないが、それでも、2010年南アW杯のときの阿部を彷彿とさせる。試合展開によっては守備固めで起用されることもあるだろう。
日本から合流するメンバーについては、逆にコンディションが心配されるが、その中でいかに結果を残せるかだ。オランダ戦の先発は遠藤と今野、そして柿谷が予想されるが、それ以外にも、今回は特に大迫(鹿島)に注目したい。ベルギー戦で出場機会があるのではないか。とにかくFWとしてのすべての能力を兼ね備えているのがすごい。柿谷ばかりが注目されているが、個人的には大迫が今の代表に一番いいFWのような気がする。ポストプレーとヘディングもでき、なおかつパスでの崩しもうまくて、ゴールの嗅覚がある。この逸材が世界トップクラスの相手にどこまで通用するか、見てみたい。
一部報道によると、選手が自発的に監督抜きのミーティングを行うという。先月の2連敗を受けてのものだろう。それだけ、危機感があるというのはいいことだ。あとは、結果だ。なにも、オランダとベルギー相手にアウェイで勝てるとは思っていない。だが、先月のように、0ゴールで敗戦というのは厳しい。せめて、1ゴールは奪ってほしい。同じ負けるでも、21と20では全然違う。いや、むしろ3点取られてもいいから、31で負けるほうがまだいい。とにかく、攻撃。相手に押し込まれる展開でも、いかにそれを打破してゴールを奪うか。カウンターでもセットプレーでもいい。とにかく、攻めの姿勢を見せて、0ゴールだけでは回避してほしい。
まずは今週土曜日のオランダ戦だ。
筆:小松英之 ツイッターはこちら
小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鋒氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
BEE Football Spiritは「上海をサッカーの街にするプロジェクト」をサポートします!