なぜJリーグは柏の日程変更を却下したのか?
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事の経緯はこうだ。
ACLで準決勝まで進んだ柏。次の対戦相手は中国の広州恒大。
柏は25日にホームで、10月2日にアウェイで、それぞれ試合を行う。だがその間に、Jリーグの新潟戦(柏のホーム)がある。9月28日だ。これはかなりの過密日程だ。そこで、柏は9月28日のJ1新潟戦について、日程変更をJリーグへ申請した。ACLへの負担を減らすのが目的だ。
しかし、結果は却下。
一方、中国の広州はACLにむけて日程変更がCリーグから認められた。また、韓国でも、BEST4に進出しているFCソウルがKリーグから日程変更を認められた。それゆえに、Jリーグの対応がこの二ヶ国と比較され、柏がかわいそうだ、とする論調も一部であった。
今回、Jリーグが柏の申請を却下した主な理由は以下だ。
1、柏の日程変更の申請が急だった(試合日がかなり迫っていた)
2、アウェイサポーターの観戦ツアーへの対応
3、アウェイサポーターの宿泊(予約済み)への対応
4、totoへの対応
30日以上前の申請なら、Jも現実的に対応ができたかもしれないが、柏の申請が急すぎて、諸問題への対応が満足にできないというのが主な理由のようだ。
今季、JリーグはACL支援のために、強化費拡充などで対応している。しかし、柏の吉田取締役は「お金での解決もあるが、選手のことを考えると日程の部分を何とかしてほしかった」と語っている。これは本音であろう。
お国柄も国内リーグ事情も異なることから、いくらCリーグやKリーグが日程変更を認めたからといって、安易にJリーグの対応を批判できない。だがこれは、来季以降のACL日程対策という意味では大きな教訓となったはずだ。それは何も柏だけではない。ACL制覇を狙うJクラブすべてに言えることだ。
ともあれ、もう後には引けない。
ただ、日程通り戦うのみ。
広州相手に柏は決勝進出を果たせるか。
注目のファーストレグは、今夜だ。
筆:小松英之 ツイッターはこちら
小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川移籍後)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鋒氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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