【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

中国が発信している情報を偏見なく紹介します。その他、趣味のサッカー(ガンバ大阪/清水エスパルス/バルセロナ)やお酒の話題など。

やっぱり、結局、最後は、本田なのか??

イングランド・オランダ・日本・中国の各国の指導者ライセンスを所持するサッカースクール!

小松英之の連載がブログで紹介されました!

今年3月のヨルダン戦(12で敗戦)前のカナダ戦のときも書いたが、はっきりいうと、今日のブルガリア戦もそれほど大きな収穫はない。

まずそもそも、本番は6月4日の豪州戦。そこで結果を出せばいい。コンディションもそこに焦点を合わせている。今日は、そのあたりがありありと出ていた。つまり、モチベーションにしろ、コンディションにしろ、本番モードではなかったということだ。

事実、ザックは試合後会見でこう語っている。

「このチームの選手たちはやるときはやるし、本領発揮してくれるので、まったく心配はしていない」

ただ、親善試合といえども、当然スポンサーさんがいるし、ましてスタジアムまで足を運んでくれる、さらにはテレビ前で応援してくれるたくさんのサポーターがいるのだ。だから、たとえ本気モードでなくとも、それを言ってはならないし、態度に出ないようにしなければならないが、その部分で今日はよくなかった。試合を見ていても、決して「絶対にこの試合を落とせない!!」という覇気は感じなかった。まぁ無理はしないということなのであろう。

試合前も、試合後も、しきりに343と4231のことが騒がれたが、そもそも343はまだ未完成なものなのだから、比較しても余り意味がない。むしろ、343はそれ単独で使い物になるのか?という視点のほうが大事だ。今日見る限りは、ザックが343をまだあきらめていない理由がわかった、ということだ。オプションとして追求するに足るだけの価値がまだある。

ただ、どちらのシステムにしろ、やはり本田不在の影響は大きい。

本田がいないときのオプションを試す絶好の機会だったが、何が足りないかというと、最後の部分、シュートの部分、決定力、そのあたりはそうなのだが、もっというと「恐さ」だ。香川、乾、清武。このあたりがワンタッチと裏への動きで相手を崩しにかかるとき、とても美しい。そこに前田、中村などが絡むと、日本代表が世界の強豪と戦うに絶対的な武器となる「アジリティー(敏捷さ)」が見られる。相手が今日のブルガリアのように大きい選手たちだと、よりそれが浮き彫りになる。

ただ、恐さがない。

ブルガリアの選手たちは隙があればシュートを打ってくる。サッカーはゴールが決まらなければ勝てない。欧州で長年もまれてきたチームならではの抜け目のなさがそこにはあった。もちろん、きれいな形で崩すことが悪いわけではない。ただし、きれいな形だけを作っていても勝てない。そこでやはり本田を思い浮かべてしまう。柔と剛。両方を世界レベルで兼ね備えたプレーヤー。アジリティーもある。香川、清武、乾の中に、本田が加われば、美しさ、アジリティーに加えて、剛(力強さ)と迫力(相手にとってのゴール前の恐怖感)が加わる。本田以外に、いまのところ、この剛と迫力を作り出せる選手が見出せない。ハーフナーは高さという武器でこれらを作り出せる可能性を秘めているが、まだ見えてこない。

結局は、香川のいうように「最後の部分」。つまり決定力だ。

岡田ジャパン時代、最後の最後で、それまで絶対的存在だった中村俊輔がはずれて、本田がレギュラーに定着したその要因は、詰まるところ「決定力」だった。それは当時の岡田監督もはっきりと語っている。日本にはまだ、本田にしか決定力を見出せていないのか…香川の決定力を生かす形をもっと追求すれば、本田、香川、どちらからもゴールが取れるという(相手にとっての)恐さが生まれる。今はその過程ということだろう。

思いつくままにつらつらと書いてしまったが、詰まるところ、今日の試合は収穫なし。いや、セットプレーからの失点という課題が改めて浮き彫りになったということが収穫か。川島や長谷部を責めても始まらない。チームとして修正して、豪州戦で勝ってくれればいい。

ただし、6月4日もこんな負け方をすれば、国民が許さないだろう。

そんなことはないと信じて、いざ、豪州戦へ!!!

(筆:小松英之)

小松英之(こまつひでゆき)

サッカーコラムニスト。

サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。

【略歴】

静岡生まれ。

小さい頃から地元の高校である清水商業や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。

【観戦経験】

英プレミア:マンU(香川移籍後)、チェルシーマンチェスターC。

リーガ:バルセロナ

セリエ:ユベントス、ローマ。

欧州CL:バルセロナベンフィカ

【中国Cリーグ】

中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鋒氏とは何度も会食している。

08年 Cリーグ武漢光谷の日系企業スポンサー募集担当。

08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。

09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。

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