【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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日本代表で香川がトップ下に入った場合、本田は…

イングランド・オランダ・日本・中国の各国の指導者ライセンスを所持するサッカースクール!

小松英之の連載がブログで紹介されました!

今夜、日本代表が11日のイラク戦を前に、UAEテストマッチを行う。

欧州組も帰国して、いよいよ臨戦態勢だ。

ザックジャパンでいつも言われるのが、香川のトップ下ポジションについて。もちろん、本人が一番得意とするポジションで、しかもクラブでも(いまやマンU!)トップ下をやっていることから、代表でも…という話になるのだろう。

だが、ザック監督はあくまで香川を左で使う。

では、実際に香川がトップ下に入った場合、本田はどうなるのだろうか。

恐らく、左利きの本田を右MFで使うのではないか。

そうなると、現在、右MFでレギュラーの岡崎は左にまわることになるだろう。するとどうなるか。ひとつの答えとして、サイドに起点ができるということが言えないだろうか。

本田の最大の特徴のひとつは、やはりキープ力だろう。それも、技術だけでキープするわけではなく、フィジカルが強い。ガツンとあたっても、倒れず、奪われず、キープしていられる。本田に預ければ、中央でキープしてくれるから、ピッチ全体でいろんな可能性が生まれる。仮に本田が右サイドを務めた場合、右でキープすれば起点はどうしたって右になる。そういうサッカーをするチーム(サイドに起点を置いて攻める)ならありえるだろうが、今の日本代表は果たしてそうだろうか。

むしろ、本田が中央で張っているからこそ、内田や長友がオーバーラップする時間をきちんと稼げている。本田が中央で張るからこそ、岡崎と香川がアタッキングサードで勝負できる。

それに、本田自身が1対1の強さ、決定力のある選手のため、本田が常に中央でゴールに近いところにいることは、それ自体が相手にとって脅威になる。しかもなかなかボールを奪えないのだから、なおさらだ。

一方、香川はフィジカルは本田ほどではないが、動き出しとスピードは本田以上。決定力もある。さらに、両足ともに高いレベルで蹴れることから、トップ下としてマンUでも機能している。

本田と香川のプレースタイルで大きく違う点は、香川の場合は、キープよりもボールへのファーストタッチで相手をいなして前に進む力だ。しかも、スピードがある。「ためを作る」本田とはそこが大きく違う。

つまりはタイプの異なる二人のトップ下がおり、しかも二人とも世界クラスの技術と実力を兼ねているため、どちらかを選択しなければならないということだ。それは、どちらのプレースタイルのトップ下を選ぶかということになる。過去からのチームとしての戦術理解や、W杯予選でまずはアジアの国々を倒さなければならないこと、また少ない時間で戦術を理解させ、浸透させなければならない代表というチームの性質。そういうものを考えたときに、ザックは総合的に本田トップ下にこだわっているのではなかろうか。

だが、アジア相手と世界相手では違う。

アジア予選とW杯本大会で戦い方が変わることも普通にある。

そうなれば、アジア予選の先(突破して本大会を決めたとして)、コンフェデ、そして本大会と世界の強豪との戦いを控えたとき、本田ではなく、香川トップ下で、ためやキープよりも、より早いスピードで攻め込むスタイルに変更する可能性もあるのではなかろうか。

少なくともアジア予選は本田トップ下は変わらないだろうが、香川にはそのポジションをこだわり続けて、クラブでも結果を出して、いい意味で本田にプレッシャーを、そしてザック監督を悩ませてほしい。

<筆:小松英之>

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