【横浜はくもりの中出航 -2011J1展望-】コラム:クアットロディチ第十五回
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小松英之の連載がブログで紹介されました!
今シーズンもJリーグの季節がやってきた。
3月5日(土)、6日(日)全国各地で全34試合に及ぶ長き戦いの幕が上がったのだ。
優勝争いは名古屋が連覇を果たすのか、それを阻止すべく鹿島、G大阪、川崎あたりがどのように絡んでいくのかなど目が離せないが、筆者は横浜Fマリノスに注目している。
先日、キャプテンであり攻撃の中軸を担う元日本代表MF中村俊輔が左太ももの筋損傷により、全治34週間との診断が下され、開幕戦が絶望というショッキングなニュースが駆け巡った。なかなか明るい話題が出てこない横浜の今季の戦いを不安視しているのは筆者だけではないはずだ。
発端は昨年末に断行された、「ベテランの大量リストラ」。元日本代表DF松田直樹(JFLの松本山雅FCへ)、同MF山瀬功治(川崎Fへ)、同FW坂田大輔(ギリシャリーグ1部・アリス・テッサロニキへ)など、若手の信頼も厚く、これまでクラブに多大な貢献をしてきたプレーヤー達ばかりだ。
この「愚行」とも言える行為は、当然、タダでは済まず、様々な波紋を呼んだ。
サポーターが大挙してマリノスタウンにまで押し寄せるというニュースはちょっとした話題となった。クラブのことを間近で見ているサポーターは、非常な通知に、怒りも当然あったろうが、戦力的な視点で見ても、クラブの考えを理解できず、このような行動に出たのだろう。
サポーターがこれだけ”危機感”を感じているのだから、実際にプレーしている選手の危機感は相当なものだろう。昨シーズンのキャプテン、元日本代表DF中澤佑二は契約更改の際、再三に渡り話し合いを重ねた。 それは自身が語っていたように「自分の年俸とかそんな話じゃなく、クラブのヴィジョンが聞きたかった」
2度のワールドカップを経験し、クラブを統率していく立場となった中澤。チームのことを考えるからこそ、「内部崩壊」になりかねない今回のような事態に、クラブの方針を確認し、それを現場と共有させる必要があると感じたのだろう。一時は「海外移籍」や「不要論」も囁かれたものの、やはり絶対的なゴール前での存在感と、統率力。中澤のような選手はクラブチームに1人は置いておきたい存在だ。
(続く)
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