【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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【最多優勝vs美学vsオイルマネー -プレミアリーグのタイトルを獲るのは-】コラム:クアットロディチ第十三回(その三・完)

イングランド・オランダ・日本・中国の各国の指導者ライセンスを所持するサッカースクール!

小松英之の連載がブログで紹介されました!

【コラム】クアットロディチ 第十三回

『最多優勝vs美学vsオイルマネー -プレミアリーグのタイトルを獲るのは-』(その三・完)

 さて、最も優位な立場にいるのは言うまでもなくユナイテッドだろう。第26節でウォルバー・ハンプトンに敗れるまではシーズン無敗を継続しており、奇しくも03-04シーズンのアーセナル以来の無敗優勝か、という期待も高まっていた。

 序盤はロスタイムに失点して勝ち点「2」を失う試合が連続するなど、「らしくない」試合が続いていたが、結局は「無敗」だったことがアドバンテージとなる。徐々にエンジンをかけ、気がつくと指定席を奪い返していた。

 

 失意のワールドカップとなったエース、イングランド代表FWウェイン・ルーニーがピリッとしない中、昨季はインパクトを残せなかった元ブルガリア代表FWディミタール・ベルバトフが大爆発。ここまで19ゴールを挙げ、得点ランキングのトップに立っている。 第5節、ホームでのリバプール戦ではハットトリックを達成するなど、勝敗を決定付ける得点を挙げ続けた。15節のブラックバーン戦(ホーム)では、プレミア史上4人目となる、1試合5得点の離れ業を成し遂げるなど、まさに手がつけられないといった印象だ。

 攻撃陣に比べて、CBイングランド代表リオ・ファーディナンドがケガもあり、ここまで精彩を欠いたプレーに終始しているのは気がかりだが、ファーディナンドの衰えは以前から指摘されていた事だし、その後釜としてセルビア代表DFネマニャ・ヴィディッチを獲得した面もある。さほど影響はないはずだ。むしろ後方に控える守護神、元オランダ代表GKエドウィン・ファン・デル・サールは今季限りでの引退を明言しており、”有終の美”を飾るべく、燃えているはずだ。

 

 あとはここまで5得点と鳴りを潜めているエース、イングランド代表FWウェイン・ルーニーが復活できるかどうかだろう。

 ダービーでのオーバーヘッドのような”ここ一番での勝負強さ”はさすがの一言だが、勝敗を決定付けるようなゴールを立て続けに決めるのがエースの仕事ではないだろうか。若手のエルナンデスよりゴール数が少ないとは、あまりに寂しすぎる。

 終盤、ギリギリの攻防が続く中ではエースの「決定的な一発」が雌雄を決することもある。あのゴールを機に、”ワッザ”が目を覚ますか、キーポイントになりそうだ。

 

 また、ユナイテッドはCLとの二冠を狙ってくるだろう。さらに各国代表選手も多いため、EURO2012予選が進行する終盤戦はそれに伴う選手の疲弊は避けられないだろう。 選手のやりくりにも相当苦労するはずだ。

 しかし、彼らには、幾度もこういった過密日程を乗り越えてきたという「経験」 がある。それはアドバンテージになるだろう。

 

 さて、ユナイテッドがタイトルへの最短距離にいるのは間違いないが、個人的にはアーセナルがタイトルを獲るべきではないかと考えている。

 

 ここ数シーズン、ユナイテッドとチェルシーがタイトルを独占する、”二党独裁”の時代が続いているが、それに風穴を開ける意味でも新たなチャンピオンチームの誕生は待たれるところだ。しかし、シティのやり方は、金満オーナーが「カネにモノを言わせて」強豪クラブへのし上がろうとしている。企業買収の方法としては正しいかもしれないが、スポーツとしてのフットボールは無視されている。

 単にクラックを11人かき集めてスタジアムやクラブハウス設備を整えたからといって、1年や2年で優勝できるほど、プレミアリーグフットボールは甘くはない。チェルシーでも優勝までにそれなりの年月を擁したし、彼らはもともとの「下地」があった。

 大富豪のクラブ買収はブラックバーン・ローバーズや、スペインのラシン・サンタンデールにまで及んでいる。 ヴェンゲルの言葉を借りるならば、「チームの熟成には時間がかかる。1年や2年で出来るものではないんだよ。それはテレビゲームの中の話だ。」 

 

 成功を一夜でつかもうとしても不可能だ。ヴェンゲル・アーセナルは、既に15シーズンの長期政権を築き、明確なプランのもと、長期的な強化、育成を図っている。筆者の優勝予想はアーセナルだ。今シーズンこそ、苦労が報われるのではないのだろうか。 

※コラム内の記録は全て2月21日現在のものです

(完)

<筆者紹介>

中島雅淑 1983年 9月5日生まれ

19931996 地元の小学校のサッカー少年団でサッカーを始める。 当時は宇宙飛行士を夢見ていて「体を鍛えるため」という名目だったが、次第に魅力に取り付かれていく。

19961998 中学校のサッカー部に所属。 

1999- 高校受験とともに辞め、進学校だった事もあり、一時期サッカーから離れるも、プレーしなくなった事により、見る「目」が肥えてくる。 また、高校2年時にはアジアカップ2000が開催され、再びサッカー熱に火がつくようになる。 

2002- 大学のサークルでプレー。日韓W杯は全試合観戦。また「瑞穂陸上競技場」「豊田スタジアム」で名古屋グランパスの売り子アルバイトをしながら試合を観戦

2003- 大学中退して大阪へ 専門学校のフットサル大会のため体を動かす程度。テレビ局の関係でチャンピオンズ・リーグを定期的に観戦。

2005 3月 インターンシップで第87回センバツ高校野球スポニチの取材補助を経験。

2006- 仕事の関係で東京へ プレーはしなくなるが、WOWOWに加入していたため、毎週リーガエスパニョーラを観戦。

2007- 地元岐阜に帰還。 FC岐阜が財政危機に陥っているという話を聞き、「地元のクラブを助けなければならない」という思いから、定期的にスタジアムに観戦に行く事になる。

また、市民参加型インターネット新聞新聞サイト「オーマイニュース」に登録して、スポーツ記事を主に発信。年末には活躍が認められ韓国での記者交流会に参加。

2010- テレビ局の関係でプレミアリーグを見るようになる。

<エピソード>

嫌がる元カノを無理矢理瑞穂陸上競技場グランパス戦へ、 せっかくガストでいい感じで女の子と食事していたのに02/03のクラシコがテレビ放映されていたため、気がそっちへ行ってしまった実績あり。

波乱万丈な人生を歩む、だが東海屈指にフットボールを愛している27歳の男。

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