【チェルシーは初のビッグイヤーを獲れるか】コラム:クアットロディチ第十一回(その二・完)
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【コラム】クアットロディチ 第十一回
今シーズン初優勝を最も切望しているのはチェルシーだろう。03-04シーズン開幕前、ロマン・アブラモヴィッチオーナーが就任すると、豊富な資金にモノを言わせ、次々と選手を「強奪」。04-05、05-06シーズンのプレミアシップ連覇をはじめ、獲れるタイトルは全て獲ったのではないのだろうか。 唯一、CLを除いては。
ビッグイヤーを獲るために適材適所にクラックを配置し、「CLを最も知る男」ジョゼ・モウリーニョを招聘し、さらに近年では、ビッグイヤーを獲るために、補強を自粛したりと出来るであろうおよそ全てのことをやっても未だ届かないCLのタイトル。
しかし、カルロ・アンチェロッティ政権1年目、プレミア新記録となるシーズン103得点を叩き出した攻撃陣は健在で、さらに破壊力を増した感すらある。しかも冬の移籍マーケットでリバプールからプレミア史上最高額の移籍金5000万ポンド(65億7000万円)でフェルナンド・トーレスを獲得。 リバプールはヨーロッパ・リーグに参戦しているため、1シーズンで別のクラブでCLに出場することが出来ない、「カップ・タイド」には当てはまらない。
07/08シーズンCL決勝、雨のモスクワで、ユナイテッドとのPK戦の末敗れたチェルシー。「雨」という天候がテリーのキックを狂わせた。片耳をつかんでいたビッグイヤーを持ち帰れなかった悔しさをキャプテンJT(ジョン・テリー)は誰よりも感じているはずだ。
あの日最もタイトルに近づいた。この鬱憤は、地元ロンドン・ウェンブリーで晴らせるはずだ。
対抗馬としては、同大会最多優勝回数を誇るレアル・マドリーを挙げたい。9回の優勝は素晴らしいものだが、最後にビッグイヤーをつかんでから、9年の歳月が流れた。今あの時のメンバーでチームに残っているのは主将イケル・カシージャスのみだ。 昨シーズンは決勝の舞台がサンチャゴ・ベルナベウであったにも関わらず、決勝にすらたどり着く事が出来ず、高貴な「白い巨人」は無冠の屈辱にまみれた。
今シーズンタイトルを獲れないようなら、”マドリー・ブランド”は地に落ちるだろう。
危機感を感じた首脳陣は、ついにジョゼ・モウリーニョを監督に招聘。自らを「スペシャル・ワン」と公言するこの知将に再建を託した。
しかし、こともあろうに決勝トーナメントの緒戦から過去一度も勝利したことがないリヨンとの対戦が決まった。 因縁浅からぬこのフランスの強豪相手に、ジンクスを破れるのか。モウリーニョのお手並み拝見といったところだ。
果たして今シーズンビッグイヤーを掲げるのはどこか?全てが明らかになるのは5月26日、ロンドン・ウェンブリースタジアムだ。
(了)
<筆者紹介>
中島雅淑 1983年 9月5日生まれ
19931996 地元の小学校のサッカー少年団でサッカーを始める。 当時は宇宙飛行士を夢見ていて「体を鍛えるため」という名目だったが、次第に魅力に取り付かれていく。
19961998 中学校のサッカー部に所属。
1999- 高校受験とともに辞め、進学校だった事もあり、一時期サッカーから離れるも、プレーしなくなった事により、見る「目」が肥えてくる。 また、高校2年時にはアジアカップ2000が開催され、再びサッカー熱に火がつくようになる。
2002- 大学のサークルでプレー。日韓W杯は全試合観戦。また「瑞穂陸上競技場」「豊田スタジアム」で名古屋グランパスの売り子アルバイトをしながら試合を観戦
2003- 大学中退して大阪へ 専門学校のフットサル大会のため体を動かす程度。テレビ局の関係でチャンピオンズ・リーグを定期的に観戦。
2005 3月 インターンシップで第87回センバツ高校野球のスポニチの取材補助を経験。
2006- 仕事の関係で東京へ プレーはしなくなるが、WOWOWに加入していたため、毎週リーガエスパニョーラを観戦。
2007- 地元岐阜に帰還。 FC岐阜が財政危機に陥っているという話を聞き、「地元のクラブを助けなければならない」という思いから、定期的にスタジアムに観戦に行く事になる。
また、市民参加型インターネット新聞新聞サイト「オーマイニュース」に登録して、スポーツ記事を主に発信。年末には活躍が認められ韓国での記者交流会に参加。
2010- テレビ局の関係でプレミアリーグを見るようになる。
<エピソード>
嫌がる元カノを無理矢理瑞穂陸上競技場のグランパス戦へ、 せっかくガストでいい感じで女の子と食事していたのに02/03のクラシコがテレビ放映されていたため、気がそっちへ行ってしまった実績あり。
波乱万丈な人生を歩む、だが東海屈指にフットボールを愛している27歳の男。
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