スペイン優勝の陰にアラゴネスと協会の内紛
中国サッカー魂編集部
Euro 2008決勝、ドイツvsスペイン。試合はスペインがフェルナンド・トーレス(Fernando Torres)の決勝ゴールで1-0とドイツを下し、44年ぶり2度目の欧州選手権優勝を果たした。
スペインのアラゴネス監督はチームを優勝させたにもかかわらずこの大会限りで代表監督の座を降りる。トルコリーグのフェネルバフチェが監督の就任を要請しているという。フェネルバフチェといえば昨季までジーコ監督が率いていたチームだ。
経緯はこうだ。
ユーロ2008の予選でスペイン代表が低迷したのをきっかけに、スペインサッカー協会内で後任監督を探す動きが出た。すでに一部の人間へオファーが届いており、基本合意もなされているとする報道もある。
こうした動きを知ってか、アラゴネスもユーロ限りでの退任を表明していたが、それでも協会の動きには不快感を隠さなかった。「代表監督が2人もいるのはおかしい」とユーロ2008本大会前に発言し、スペイン国内で議論を呼んだ。
しかし、いざ本大会が始まると圧倒的な強さでグループリーグを突破。そして今大会、決勝のドイツと並んで最大の難敵ともいっていいイタリアに勝利しBEST4に進出。優勝の可能性すら見えてきた。そして、そこへ至ってスペインサッカー協会はアラゴネスに2010年までの続投をオファーするという事態になった。まさにドタバタ劇というほかない。
しかしながら、アラゴネスの退任は変わらないだろう。事実、このドタバタ劇を受けてBEST4であるロシア戦の前日に、フェネルバフチェはアラゴネス監督と仮契約をしたと発表した。アラゴネス本人は同日の会見で「誰とも契約はしていない」と語ったそうだが、果たして真相や如何に…
しかし、スペイン代表の選手やスペイン国民はどう思うのだろう。確かに、アラゴネスは「W杯ドイツ大会でBEST4に入らなかったら監督を退任する」と言ったにもかかわらず、結局その後も監督を続投した。それにより国民の批判を買ったことは事実だ。しかし、継続した結果、44年ぶりのユーロ優勝という大成功をスペインにもたらした。当然、スペイン国内では監督継続の声が多発することが予想されるが…
2010年南アでもアラゴネス・スペインを見てみたいと多くのサポーターが思っているに違いない。
提供:ビッグイーストグループ