【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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四川大地震後初の公式戦

日本でも連日のように報道されている四川省地震の影響により、スケジュールが一部変更となっていたCリーグ第8節全試合が17日(土)全国各地で開催された。

私が取材に訪れたのは、ここまでまだ勝ち星なしという深セン(ホーム)VS遼寧(アウェイ)の試合。今度こそ初勝利を、との思いで試合前から盛り上がる深センサポーターを場内アナウンスが鎮め、地震の被害者となった方々へ1分間の黙とうをささげて、試合は開始された。

深センのシステムは3412。いかにいい形で2トップにボールを供給するかがポイントとなる。対する遼寧は352。アウェイだけに、まずはしっかり守ってペースをつかみたいところ。

深セン

遼寧

まず先手を取ったのはアウェイの遼寧。前半5分、いきなりゴール前でGKと1対1という決定機を作るも、ここは深センのGK張磊がナイスセーブ。試合開始早々いきなり失点という最悪の事態を回避するも、その後も遼寧が中盤を支配し、深センはなかなか攻め込めない時間帯が続く。

そんな流れを変えたのは39番のアンダーソン(カメルーン)だった。遼寧の攻撃をいく度となく跳ね返すと、トップ下でボールをコントロールするこの選手から、早いタイミングで左右へ中央へと絶妙のパスが供給される。フィニッシュが甘く、なかなかゴールまでは至らないが、試合の流れが深セン側に来ているのは明らかだった。

しかしここでアクシデントが。なんと接触プレーで左足を痛めたアンダーソンが交代を余儀なくされたのだ。一度はプレーを再開したものの、相当痛むのか、足を引きずるようにしてベンチへ。代わって入ったのは8番の黎斐。攻撃のかなめを突如失い、また今節も初勝利はお預けか…と悪い予感が一瞬頭をよぎる。

この悪い流れを断ち切ったのはFW31番の高健と38番ジョンソン(カメルーン)の2トップ。前半32分相手のミスからボールを奪った24番MF尹小龍が強烈なミドルシュート。一度はポストに嫌われるが、その跳ね返りを高健が冷静に頭で押し込み先制。前半は1点リードで折り返した深セン

後半に入ると深センの猛攻が始まる。後半22分、カウンターから左サイドを崩すとセンタリング。右へ流れたボールを中央へ折り返し、ミドルシュートがバーをたたいたこぼれ球をジョンソンが右足で押し込んで20。今季初勝利に向けて盛り上がる深センスタジアム。

後半35分には、またもカウンターからジョンソンと前半代わって入った8番黎斐の見事なワンツーから、ジョンソンがシュート。遼寧GKがかろうじてボールに触わるも、そのままゴールの中へ。30。

さらに、試合終了間際の後半40分には、右サイドからのセンタリングを、先制点を決めた高健が頭で決めて40。深センが圧倒的な攻撃力を見せつけ、大勝した。

全ゴールシーン

この試合のMVPにはFW高健が選ばれた。

また試合後、スタジアムでは両チームによる四川大地震への寄付金授与のセレモニーが行われ、その他数社が寄付を。震災にあえぐ同胞への励ましと、今季初勝利という喜びを胸に、深センサポーターたちはスタジアムを後にした。

文・編集 by 中国サッカー魂編集部